安楽死年間2000人 ベルギーの悩み

大特集 理想の逝き方を探る

宮下 洋一 ジャーナリスト
ライフ ライフスタイル

うつ病にも安楽死が許される国の現状

ベルギー・アントワープ ©iStock

「私、毎日、死にたいと思っているのよ。この気持ちを分かってくれる人なんていないけれど……」

 年明け早々の1月5日、ベルギー北部のアントワープ。2017年の仕事始めは、安楽死の許諾を医師から得た30歳のベルギー人女性に会うことだった。彼女を前に「ハッピーニューイヤー」という挨拶が適切なのかどうか悩んだあげく、結局、口にするのは控えた。

「こんにちは、エイミー」

「こんにちは」

 彼女はにこりと微笑んで、先に右手を差し出してきた。

 エイミー・ドゥ・スヒュッテルは、現在1人暮らしをしている。自閉症を併せ持つ心的外傷後ストレス障害(PTSD)という複雑な精神病を抱え、自殺未遂経験は合計13回。なんとか「生き延びて」いる。

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source : 文藝春秋 2017年03月号

genre : ライフ ライフスタイル