長生きより7合の酒 (福岡県うきは市 82歳 矢野紀男)
80歳を過ぎての引っ越し準備に忙しい毎日です。この準備中に、少し変わったアルバムが2冊ほど出てきました。装丁やボリュームは立派なものですが、親戚の写真の隣にご近所の方の写真が。故人の写真の下に若い人の写真が、少し曲がって貼ってありました。
このアルバムを発見したまさにその夜に『文藝春秋』を手にし、「2022年のうらやましい死に方」に目が止りました。昭和39年に他界した祖父のことを是非紹介したいと思いました。
このアルバムの作成者は祖父です。
祖父イクオール酒です。一升瓶に顔と手足を付けたようなものでした。朝食前に一杯、中頃一杯、昼食前には二杯、中頃一杯、夕食前にも二杯、杯はコップですので約一合でしょう。合計すると七合になります。365日ほぼ毎日だったのではないでしょうか。家計が気になるところですが、祖父の実弟が隣町で酒類の卸問屋を手広くやっていましたので、何とかなったのでしょう。
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source : 文藝春秋 2023年1月号