3月8日に開幕する第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。日本代表は2月17日からの宮崎キャンプで世界一奪回に向けて本格的に動き出している。このキャンプにメジャー組からただ一人、参加したのがサンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有だ。
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キャンプ初日には佐々木朗希、宮城大弥と居残り練習も
36歳という年齢はキャンプメンバーだけでなく、チーム30選手の中で最年長。年齢だけでなく日米でのキャリア、実績、経験は精鋭の集まった代表チームの中でも抜きん出た存在であり、宮崎に集まった段階からどの選手も畏敬の念で視線を送っていたのも確かだ。
「結構、警戒されていると思うので、ちょっとあまりまだ話していない選手もいる」
キャンプ初日の2月17日の練習後、こう語っていたダルビッシュだが、自らが若手に積極的にアプローチ。この日もいきなり佐々木朗希投手と宮城大弥投手と木の花ドームで居残り練習をして、二人にスライダーやスプリットの握りを伝授。練習後にはグラウンドに車座に座って、野球談義に花を咲かせた。
その後も一緒にウエートトレーニングをしていた湯浅京己投手が「熟睡できない」と悩みを打ち明けると、すぐに自分が持っている睡眠補助のグミをプレゼント。また山本由伸投手からチーム最年少でプロ2年目の高橋宏斗投手まで、機会があるとブルペンのピッチングを見て、トラックマンのデータと比較しながら様々なアドバイスを送る姿があった。
周囲からは“ダルビッシュ先生”が生徒に投球術を教えているように見えるが、あくまで本人は「教えているのではなく意見交換」だと語る。
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source : 文藝春秋