3月に開催される第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて、日本代表チームの編成作業が急ピッチで進んでいる。
年明けの1月6日には栗山英樹監督(61)とロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手(28)が出席して会見を行い、席上で栗山監督からは大谷を含む代表枠30人の中12人の先行メンバー発表が行われた。今後はさらに候補を絞って1月末には最終的な「侍ジャパン」の全容が決まることになる。その最終選考の中で異例と言われているのが、2022年オフにメジャー移籍を果たした2人の選手の参加の可能性が高まっていることだった。
代表入りが「内定」と言われているのは、オリックスからボストン・レッドソックス入りを決めた吉田正尚外野手(29)。そして準決勝、決勝が行われるアメリカラウンドからの出場を模索しているのが、ソフトバンクからニューヨーク・メッツ入りした千賀滉大投手(29)である。
WBCが行われる3月上旬は春季キャンプとオープン戦が真っ盛りの期間で、2人にとってはメジャーの野球に順応しチーム内の競争に勝ち、自分の居場所を確保するためのアピール期間でもあるわけだ。そんな大事な時期にチームを離れて日本代表の試合に参加する。それだけ2人が日の丸への強い思いを持っているというのはもちろんだ。同時にもう一つ、周囲を驚かせたのが本人の意向を受けて、チームもWBC参加を認める方向で動いているということだった。
実は2人はこれまでの日本人選手のメジャー移籍と比較しても、かなり大型の契約で移籍を実現している。
吉田の5年総額9000万ドル(約126億円)は、前年にシカゴ・カブスと契約した鈴木誠也外野手の5年総額8500万ドル(約101億円、当時のレート)を超えて日本人野手の最高額となった。一方の千賀も5年総額7500万ドル(105億円)という大型契約。楽天からヤンキースに移籍した際の田中将大投手(現楽天)の7年総額1億5500万ドル(約161億円、同)には及ばないものの、現トロント・ブルージェイズの菊池雄星投手が西武からシアトル・マリナーズに移籍した際の3年総額4300万ドル(約47億円、同)を大きく上回る契約となっている。
いずれにしても球団にとっては、“大きな買い物”だったことは間違いなく、その期待の“ルーキー”がキャンプ、オープン戦もそこそこにWBCへ参加することを球団が認めることも異例中の異例だ。
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