革命同志・坂本龍一を偲ぶ

塩崎 恭久 前衆議院議員
馬場 憲治 フリーライター
エンタメ 芸能 音楽

高校時代、ともに校長室を占拠した男は世界的なミュージシャンになった

 塩崎 この3月末、私たちと50年以上の友人である坂本龍一君が亡くなりました。2年前まで衆議院議員を務めていた私と、ライターとして『アクション・カメラ術』という大ベストセラーを出した後はTVリポーターとしても活躍した馬場君が、どうして坂本君と関係があるんだと思う人もいるでしょうね。

 馬場 僕たち3人は1970年に都立新宿高校を卒業した同級生。塩崎さんは1年間アメリカへ留学していたから年上なので、僕は当時から「塩崎さん」と呼んでいました。

 塩崎 高2のとき日本へ戻ってきたけど、坂本君は俺のことを「塩崎」と呼んでいたな。ちょっと遠慮していたけど、呼び捨てだった。

左から塩崎氏、坂本氏、馬場氏(塩崎事務所提供)

 馬場 塩崎さんと坂本君は中学の先輩と後輩だとか。

 塩崎 そう。同じ世田谷区で、後で小学校も同じだったことを知ったけど、会ったのは中学のとき。僕が部長だったブラスバンド部に、1年下の坂本君が入ってきた。肩幅が広くて体格がいいし、唇が分厚かったから、先生と相談して、バスという大きな金管楽器をお願いした。なにか納得いかない顔をしていたのを覚えている。

 馬場 不満があったみたいよ。ドミソしか音を出さないし。

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source : 文藝春秋 2023年6月号

genre : エンタメ 芸能 音楽