「どうして待っててくれなかったの?」離婚後、再会したひばりはつぶやいた
昭和37年11月5日。イギリスでビートルズがデビューし、日本がオリンピック景気に沸いていた年の初冬、東京・日比谷の旧日活国際会館で小林旭(当時24歳)と美空ひばり(当時25歳)の結婚披露宴が盛大に行われた。
当時の小林は、映画「渡り鳥」シリーズがヒットしていた日活の看板スター。一方のひばりは歌手として国民的人気を博していた。昭和35年の大晦日に「哀愁波止場」で第2回日本レコード大賞歌唱賞を受賞し「歌謡界の女王」の呼び名をほしいままにした。披露宴には片岡千恵蔵や鶴田浩二、中村錦之助ら錚々たる顔ぶれが集まり、戦後最大級の華燭の典と謳われた。
〈我が胸に人の知らざる泉あり つぶてを投げて乱したる君〉
挙式に先立ってひばりが詠んだ短歌には、芸能人ではなくひとりの女性としての率直な思いが込められている。小林は相聞歌をこう返した。
〈石を持ち投げてみつめん水の面 音高き波立つやたたずや〉
銀幕のトップスターと国民的歌手の結婚に世間は騒然となり、2人の一挙手一投足にマスコミの目が向けられた。小林が振り返る。
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source : 文藝春秋 2023年7月号