「昭和万謡集」を編むにあたって、本誌2023年12月号で読者に「あなたの好きな昭和歌謡の名曲3曲」の投稿を呼びかけたところ、103通ものご回答をいただきました。
その集計結果を読者の声とともにお届けします。
1 藤山一郎「長崎の鐘」
長崎で被爆した永井隆医師の随筆をモチーフにした被爆者への鎮魂歌。NHK連続テレビ小説「エール」のモデルとなった作曲家・古関裕而の代表曲としても知られる。
「修学旅行で長崎のバスガイドから永井博士の話を聞き、涙ながらに生徒たちといっしょに歌いました」(信吉貴美子 高知県 91歳)
「原爆で亡くした妻への感謝と被災者への励ましを神に祈る永井博士の尊い姿に心を打たれます。敬虔なクリスチャンの静謐な心構えとしみじみとした夫婦愛が歌われています。流行歌というよりも『讃美歌』そして『鎮魂歌』であるといえます」(山岡靖義 千葉県 86歳)
2 藤山一郎「青い山脈」
1949年に公開された、石坂洋次郎原作の映画「青い山脈」の主題歌。戦後間もない東北地方の女学生たちの青春を歌っている。
「戦後の荒廃から立ち直りつつあった日本。我々に明るい未来をくれた『一曲』である」(松谷博 宮城県 90歳)
「親戚のお兄さんにハーモニカで教えてもらい、自身も吹けるようになった」(加藤哲男 静岡県 78歳)
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source : 文藝春秋 2024年2月号