“連ドラの申し子”が明かす大河の舞台裏
※大石静さんが登場したグラビア「日本の顔」もぜひご覧下さい
NHK大河ドラマ『光る君へ』の脚本を書き終えたのは、2024年の9月末のことでした。今回の仕事を引き受けてから3年以上、ほとんど休まず走り続けて来たので、燃え尽き症候群と言うか、なんとも言えない喪失感がありました。
ドラマの脚本は小説とは違い、原稿を書き上げれば終わり、というものではありません。特に大河ドラマは関わっているスタッフの数が多く、私の初稿に時代考証、風俗考証、和歌考証、漢詩考証、言葉の考証……などなど、先生方にご指摘をいただき、原稿を直します。
さらに監督に、「このシーンを先に撮りたい」と言われればエピソードの順番を変え、「ここが描けていない」と言われれば書き直し、タイムキーパーに「長すぎて収まらない」と言われたら、どこを切るか検討する。
もっと面白くするために、みんなで練って練って、ようやく白い表紙の準備稿ができます。でも、まだ終わりではありません。さらに準備稿を元に再度時代考証会議を行い、プロデューサーや演出監督たちと、何度も間違いがないかを見直します。最後に私がすべての修正点を反映して、スタッフたちに原稿を送信する。毎回、その繰り返しです。
最終回の時も同じでした。「長い間、お疲れ様でした」というメールをチーフ演出からいただいてようやく終わり。だから「ああ終わった」という感慨より、長かったなあ、よく生きて完走できたなあと、思いました。
仕事をしていないとダメ!
特に今回は、2022年12月に夫を亡くしたこともあって、本当に苦しい仕事でした。ちょうど2話目を書き終えた頃、手術が難しい場所に癌が見つかり、治療はしないことにして家に帰って、私がひとりで介護していました。
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source : 文藝春秋 2025年1月号