トランプ政権の内幕暴露

池上 彰 ジャーナリスト
エンタメ 読書

『ネクスト・クエスチョン?』ステファニー・グリシャム/論創社

『ある行旅死亡人の物語』武田惇志・伊藤亜衣/毎日新聞出版

『暇と退屈の倫理学』國分功一郎/新潮文庫

 トランプ大統領が再選されました。選挙中、夫の選挙運動にほぼ顔を出さなかったメラニア夫人は、当選が決まった途端、支持者の前に現れました。この夫婦はどんな関係なのだろうか。そんな下世話なことを考えませんでしたか。私は考えたのですが……。

 そんな人が興味を惹かれるのではないかと思うのが『ネクスト・クエスチョン?』です。これは、メラニア夫人の広報責任者を務め、その後はトランプ本人の報道官になった女性によるホワイトハウスの内幕暴露本です。著者のステファニー・グリシャムは任期中、一度も記者会見を開かなかったのですが、その理由は、明らかに嘘とわかる発表をしろとトランプ大統領に命じられるのが嫌だったからというのです。メラニア夫人とトランプの最初の妻の娘イヴァンカとの陰湿ないがみ合いなど身近にいたからこその証言です。

 

 兵庫県尼崎市で遺体が発見された一人暮らしの高齢女性は、3482万円余の所持金を残していました。どうしてこんな大金を持っていたのか。何か犯罪に関わったのか。そもそもこの女性はどこの出身の誰なのか。この女性について共同通信の記者2人が、身元捜しをするのが『ある行旅死亡人の物語』です。この女性はどんな人生を歩んできたのか。実話ですが、まるでドラマのような物語です。

暇と退屈の倫理学』は、東京工業大学(現・東京科学大学)の学生と卒業生との読書会で取り上げました。不思議な書名ですね。暇と退屈は何が違うのか。そういえば「暇がないけど退屈だ」などという感想を持ったことがありませんか。一風変わった発想から差異を追究していくと、人類の壮大な歴史を紐解くことになります。暇や退屈は、人類が定住生活を始めるようになって初めて生まれた概念なのです。

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source : 文藝春秋 2025年1月号

genre : エンタメ 読書