「戦時強制疎開」がいまだ解除されていない元島民
酒井 今日はお目にかかれて大変光栄です。『散るぞ悲しき──硫黄島総指揮官・栗林忠道』(2005年)の著者にお会いできて、長年の夢が叶いました!
梯 酒井さんの『硫黄島上陸──友軍ハ地下ニ在リ』(2023年)を読んで以来、私もお会いしたいと思っていました。しかも、母校・札幌藻岩高校の後輩だと知って、不思議な縁を感じます。
酒井 硫黄島に関わると、不思議な偶然に恵まれます。梯さんも「まさか、高校の大先輩だったとは!」と、つい最近知って大感激でした。


今から80年前の1945年2月19日から3月26日にかけて、東京から南へ1250キロ離れた、東西8キロ・南北4キロの小さな火山島で、太平洋戦争屈指の“死闘”が繰り広げられた。
日本軍の海上・航空戦力はほぼゼロ、陸上戦力も約6万人の米軍に対して約2万人。万にひとつも勝ち目がないなか、栗林忠道陸軍中将率いる日本軍は、本土防衛のために一日でも長くこの島を死守するため、無駄な突撃を避ける持久戦を展開し、米軍は5日で島を攻略する計画だったが、36日間も持ちこたえた。
日本軍は捕虜となった約1000人を除いて全滅し、死亡率は95%にも達したが、米軍の死傷者も約2万9000人に達し、米軍死傷者が日本軍を上回る稀有な戦場となった。米国でも「海兵隊にとって史上最も厳しい戦い」として歴史に刻まれている。
「硫黄島の戦い」は日本人にとって何を意味するのか──戦後80年の節目に、その歴史を追った世代の異なる2人が想いを語る。
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source : 文藝春秋 2025年4月号