レイテ80年 帝国陸軍の失敗に学ぶ

山下 裕貴 元陸将

NEW

ライフ 社会 教育 歴史

「日本軍は下士官兵は強いが、将校は能力が落ちる」と米軍は見ていた

 フィリピンは約7640個の島々からなる島国であり、首都はルソン島のマニラ市である。レイテ島はフィリピン中部、ビサヤ諸島に位置し、面積は約7200平方キロメートル(宮城県とほぼ同じ)、南北約180キロメートル、東西は広い場所で約65キロメートルと南北に細長い島だ。東側のレイテ湾に面した一帯は平地で、中央部は山岳地帯となっている。

 今から80年前、このレイテ島において、日米の両軍が激突した。1944年6月6日に行われたノルマンディー上陸作戦の4か月後のことである。10月20日、米第6軍4個師団が上陸を開始したのが戦闘の始まりだった。

 日本にとってフィリピンは、南方資源を日本本土に輸送する際、また仏印などに展開している部隊へ本土から部品などを輸送する際の重要な中継地であり、その戦略的価値は極めて高かった。

 フィリピン防衛の最高司令官は、名将といわれた山下奉文大将。

 対して、米軍側のフィリピン奪還の最高指揮官は、あのダグラス・マッカーサー大将である。

 2人は立場が違い、そもそも日米の組織系統は異なるので、単純な比較は許されないが、この日米の2人の“名将”がフィリピンを舞台に対峙した。

有料会員になると、この記事の続きをお読みいただけます。

記事もオンライン番組もすべて見放題
初月300円で今すぐ新規登録!

初回登録は初月300円

月額プラン

1ヶ月更新

1,200円/月

初回登録は初月300円
※2カ月目以降は通常価格で自動更新となります。

年額プラン

10,800円一括払い・1年更新

900円/月

1年分一括のお支払いとなります。
※トートバッグ付き

電子版+雑誌プラン

12,000円一括払い・1年更新

1,000円/月

※1年分一括のお支払いとなります
※トートバッグ付き
雑誌プランについて詳しく見る

有料会員になると…

日本を代表する各界の著名人がホンネを語る
創刊100年の雑誌「文藝春秋」の全記事、全オンライン番組が見放題!

  • 最新記事が発売前に読める
  • 毎月10本配信のオンライン番組が視聴可能
  • 編集長による記事解説ニュースレターを配信
  • 過去10年6,000本以上の記事アーカイブが読み放題
  • 電子版オリジナル記事が読める
有料会員についてもっと詳しく見る

source : 文藝春秋 2024年11月号

genre : ライフ 社会 教育 歴史