(2)このスリムさ、この軽さでおサイフケータイ対応
Pixel 3はおサイフケータイに対応しており、モバイルSuicaやnanacoなどが利用できることが大きな特徴です。おサイフケータイへの対応そのものは、同じ価格帯のAndroidスマートフォンではそれほど珍しくはありませんが、Pixel 3はこのスリムさ、この軽さで対応していることに大きな意味があります。
筆者の個人的な経験でいうと、スマホは「幅70mm」「重量150g」を境に、持ちやすさが一変します。幅70mmを超えると片手で持っての操作は厳しくなり、また重量150gを超えるととたんに重量感が増します。そしておサイフケータイに対応する現行のAndroidスマホは、各社ともにハイエンドモデルであるため、この基準値を大きく超える製品ばかりです。
その点、本製品は幅68.2mm、重量148gと、片手持ちで使えて重量も一線を越えないギリギリのところで踏みとどまっています(本製品のライバルであるiPhone XSは幅70.9mmとわずかな差ながら、重量は177gと大きく基準をオーバーしています)。SIMフリーモデルをラインナップしたAndroidスマホで、直近1~2年に発売されたモデルに限れば、この幅と重量は、本製品以外におそらく選択肢はないはずです。
特におサイフケータイは、ポケットやバッグからさっと取り出して改札や支払いなどで使うだけに、スマホが軽いことは直接的にプラスに作用しますし、また片手で利用できるか否かは、前述のカメラ機能を使う上でも大きなポイントとなります。本製品の幅、および重量であればこうした点も心配いらずで、男性はもちろん女性にもフィットすることでしょう。
(3)「Pixel Stand」を買えばスマートスピーカーに
本製品には「Pixel Stand」という専用のワイヤレス充電スタンドが用意されています(別売)。ケーブルを接続しなくても立てかけるだけで充電が行える、いわゆる無接点充電方式に対応したスタンドなのですが、市販の汎用モデルとは異なる、独自のギミックが備わっています。なかでも注目なのは、ディスプレイ付きのスマートスピーカーとして利用できる機能です。
Pixel Standに本製品を立てかけた状態で「OK, Google」と声を掛けると、画面やボタンに手を触れなくとも、内蔵された音声アシスタント「Googleアシスタント」が起動します。天気などの情報を調べたり、音楽を再生したり(Spotifyとの連携が必要)と、スマートスピーカーと同様、さまざまな操作が音声一つで行えます。
本製品をスマートスピーカーと比べた場合、調べ物の結果を画面に表示できるため、音声だけで返答するスマートスピーカーよりも閲覧性が高く、まとまった情報を入手するのに向いています。例えば天気を尋ねた場合、スマートスピーカーだと終日の天気を読み上げるだけで精一杯ですが、本製品であれば時間帯ごとの気温、降水確率まで細かく表示できる、といった具合です。
このほかにも「Pixel Stand」には、Pixel 3側で指定したアルバムをスライドショー表示できますので、デスクの傍らに置いておけば、充電以外にも多用途に使えるほか、ベッドサイドに設置しておけば、目覚ましの少し前から画面を徐々に明るくするサンライズアラーム機能も利用できます。価格は1万円弱と、市販の無接点充電器に比べるとやや高価ですが、Pixel 3と併せて使う価値がある一品です。