女子ウケを狙ってみたら、まさかの視聴率4.5%!
<片岡飛鳥は「他者の評価」で番組を作ることは“オリジナリティの放棄”だと強調する。それでもテレビ番組は視聴率を獲らなければならない。そのために自分たちの番組の個性を放棄し、「視聴率を獲りやすい」とされているような企画やキャスティングに目が奪われることはなかったのか?>
これも誤解のないように、僕、普通に視聴率獲りたいと思ってますからね(笑)。だから『めちゃイケ』も後期はそういうことに陥りがちな瞬間があったんです。街ブラ系の企画をひんぱんにやってみたり、イケメンもたくさん出しといたほうがいいんじゃないのってキャスティングしてみたり。そんなある日に女子力が高いコーナーも作ったほうがいいんじゃないのって鈴木紗理奈MCの「サリナンデス!」って企画をやったら、まさかの視聴率4.5%(笑)。
紗理奈はすごく一生懸命やってくれたんですけど、おそらく番組にも人格みたいなものがあって、『めちゃイケ』には女子力とか全然似合わなかったんですよ(笑)。実験は大切だし、1個のチャレンジではあったんですが、コアなファンの「いや、『めちゃイケ』に求めているのは、そういうことじゃないから」というのが聞こえてくるような気がした。紗理奈が「スミマセン!」って謝ってましたけど、こっちこそ彼女に土下座して謝らないといけない(笑)。
でも、そんなダッチロールもさんざんあったからこそ、冒頭で言ったように「これぞ、『めちゃイケ』!」っていう「オファーシリーズ」をやることでようやく最後の「シュウ活」に向き合えたんだと思います(→#2)。
そんな「シュウ活」の半年間を過ごした『めちゃイケ』の最終回は、湘南の茅ヶ崎で終わったんですけど、美しい海岸線にサザンが流れる中でエンドロール、番組を卒業した17人が走り去っていく後ろ姿……でも、そこには落とし穴が空いてないと恥ずかしくない?っていうのが、僕の価値観。「なんで最後にまた余計なことするの?」って思う人もたくさんいたと思う。「だからクセが強いって言われるんだよ」みたいな。でも事実、そのクセで長いこと続いてきたんだから。「ボウモア」みたいに(笑)。