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日本のスタンダードは高校を卒業したらすぐ大学に入り、4年で次のステップに進むルートだ。しかしアメリカは高卒から1年でNBA入りする特別な逸材もいるし、5年6年とかけてじっくり次のステップに移る選手もいる。
例えば「レッドシャツ」と呼ばれる仕組みがある。5年間以上の在学を前提に、1年目はチームで練習を積みつつ登録せず、残りの4年間に備える方法だ。八村もレッドシャツを勧められたと聞くが、彼はそれを断った。そして誰もが驚く成長を見せ、1年目からプレータイムを得て経験を積み、2年目はもう全米的な注目株になっていた。
八村は日本でいう大学4年世代で、2月8日生まれ。アメリカの学校は9月が新学期だが、早生まれの彼はズレの影響を受けていない。10月の開幕を満21歳の若さで迎えることができる。
年俸約4億円……「お金」が凄い
ここまで説明すれば凄さは伝わったと思うが、3つ目のポイントとして「お金」に触れよう。NBAはサラリーキャップ(年俸総額制限)があるため、有力選手の突出が抑えられている。にもかかわらずステフィン・カリー、レブロン・ジェームズと言った大物選手の年俸は40億円前後。全選手の平均が7億円程度とされる。
新人選手の年俸額も「ルーキースケール」と称する順位ごとの基準がある。2019-20シーズンのドラフト9位は371万9500ドル(4億円)だ。変動幅もこの額の80~120%に設定されており、大きく値切られる懸念はない。
Bリーグでは先日、富樫の基本報酬1億円超えが発表され、大きく報道された。しかし八村は新人ながらそれを大きく超えることになる。