「丘の頂上に着陸した」主婦も目撃! 相次ぐUFO情報
大騒ぎになった。事件が地元のマスコミと、UFO研究団体に伝えられたからだ。アリゾナ州には、テューソン市にUFOの科学的捜査活動で有名なAPRO(空中現像研究機構)の本部がある。フェニックス市にも、やはり科学的調査をモットーにしているMUFON(ミューチュアル・UFO・ネットワーク)の姉妹機関GSW(グランド・ソーサー・ウォッチ)がある。
両団体ともそれぞれの調査員を現地に送りこみ、またアメリカ最大のUFO研究団体NICAP(全米空中現像調査委・本部ワシントン)も調査員を派遣した。調査員たちは、現場の三流放射能・磁器測定、目撃者のインタビューなどを開始。一方では地元アリゾナの新聞、ラジオ、テレビが、続々と記者を送りこんで取材を開始したことも、もちろんである。
保安官事務所では、6人の供述が一致していることから、ウソとは思えないとしながらも、デッチアゲまたは共謀による「トラビス殺し」の可能性もある、としていた。11月7日、ナバホ郡保安官のマーリン・レスピーは記者会見でこう言った。
「地域一帯を捜索したがトラビスは発見できなかった。ウソとは断定できないが、来週早々、ポリグラフ・テストを行なう。」
副保安官サイク・ロモはこう語った。「事件発生以来、多数のUFO目撃報告が寄せられている。ある主婦はUFOが丘の頂上に着陸したのを見たと言ったし、巨大なUFOがヒーバーの西にある高圧線上空を舞っていると言う者もいた。あまり多すぎて記録しきれないほどだ。……」
事実、この辺一帯の町や村は、UFOでもち切りだった。事件の2週間前、テレビ番組にUFO目撃談が放映されたため、関心は強かった。番組に刺激された7人の若者の大芝居だとの説も現われ、いっそう、ポリグラフ・テストが注目されたのである。
確度97%のポリグラフテストで「UFOを見た」と証言
ガレスピー保安官の要請により、アリゾナ州公衆安全局の専門家サイ・ギリソン技師によるテストは、11月10日、月曜日にホルブルックの町で行われた。
結論を先に記せば、6人の目撃者のうち5人がテストをパス、アラン・ダリスは興奮しすぎていて不確定、とされた。
合計11問の内、事件に関係のある質問と答は次の通りである。
「先週水曜日の午後、トラビスに重傷を負わせたか?」
「ノー」
「仕事仲間の誰かがトラビスに重傷を負わせたか?」
「ノー」
「トラビスがどこに埋められたかどうか知っているか?」
「ノー」
「トラビスがいなくなった時、UFOをみたというのは本当か?」
「イエス」
ギリソン技師は、次のように発表した。
「目撃者たちがUFOだと考えた“何か”を見たのは確かだ。ポリ・テストは97%の確度を持つ。これだけ多数の人間が、ウソをついてテストをパスするということは、考えられない。ただしその“何か”がUFOだったかどうかは、不明である」