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これまでの弱点を解消できる? レンズでガラリと変わる「色合い」

 従来のiPhoneでは室内を中心に、赤い被写体を撮ると画面全体が黄色っぽくなることもしばしばですが、今回のiPhone 11 Pro Maxではどうでしょうか。結論から書くと「全体的な傾向はこれまでと同じ」「ただしレンズによる」となります。

 まず通常のレンズ(広角レンズ)で撮った場合ですが、以下の写真のように、ステンレスの皿まで黄色い照明が当たったようになってしまいます。写真自体のクオリティは高いのですが、色がおかしい印象です。ちなみに従来のiPhone XS Maxでもほぼ同じ色合いになります。

iPhone 11 Pro Maxの広角レンズでの1枚。画面全体がかなり黄ばんでいます

 これに対してPixel 3は、肉は赤、ステンレスの皿は青みがかったシルバーと、くっきりと分かれています。多少冷たい印象もありますが、肉の色が引き立っており、メニュー写真にも十分使えそうなレベルです。

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こちらはPixel 3での1枚。iPhoneとは正反対、若干わざとらしく感じるほど素材ごとの色の差が出た画作りが特徴です

 と、これだけならば「従来と変わりませんでした」という結論になるのですが、本製品のレンズを広角から望遠に切り替えると、まったく異なる色合いに変化するので驚かされます。広角レンズの時のように全体が黄色いわけでもなく、またPixel 3のような冷たさもなく、相応にシズル感があり、かつバランスが取れた色合いです。

iPhone 11 Pro Maxの望遠レンズでの1枚。広角レンズとはまったく色合いが違っていて驚かされます

 Appleはどのレンズでも色合いは同じになるようチューニングしていると説明していますが、実際にはこのように、レンズごとの色の違いは少なからずあるようです。料理や草花など原色系の色がついた被写体を撮る場合は、念のために広角レンズと望遠レンズの両方で撮っておくと、満足の行く結果が得られやすいかもしれません。

カメラ重視ならば、いますぐ買い替える価値あり!

 トリプルレンズ搭載というハードウェア側の強化、ナイトモードなどソフトウェア側の強化という、ハード・ソフト両面での進化を果たした「iPhone 11 Pro」。昨年の新モデル「iPhone XS」や「iPhone XR」を買った人でも、カメラ機能を多用するのであれば、今回の「iPhone 11 Pro」に買い替える価値は十分にあります。望遠レンズが不要で、超広角レンズだけ使いたいのならば、Proのつかない「iPhone 11」でもよいでしょう。

パッケージの上面に印刷された絵柄が、従来のiPhone正面ではなくカメラのある背面であることからも、いかにカメラ機能に注力しているかが分かります

 逆に、カメラは撮れさえすれば十分という人は、バッテリー駆動時間の延長などほかのメリットはあるにせよ、慌てて飛びつく必要はなさそうです。ただし将来的にiPhoneの歴史を振り返った時、この「iPhone 11」シリーズを境に、カメラ機能は別の世代とみなされるであろうことを考えると、遅かれ早かれ、買い替えは視野に入れておいたほうがよいのかもしれません。