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日光を浴びないと一気に老ける! 寒い季節も晴れた日には外出した方が良い“これだけの理由”

ビタミンDが不足するとがんや認知症のリスクも

2019/10/29

ビタミンDが豊富に含まれる食品とは?

 ビタミンDはサケ、イワシ、サンマといった魚介類やキノコ類、牛乳、ヨーグルト、牛のレバーなどに豊富に含まれていますが、青菜類や根菜類にはほとんど含まれていません。ですから、骨を丈夫にするためにも、魚介類やキノコ類、乳製品などを意識して摂ったほうがいいでしょう。

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 それに加え、血中のビタミンD濃度を上げるには、日光を浴びるのがとても効果的なのです。皮膚に紫外線が当たると、ビタミンDの前駆体の物質が活性型のビタミンD(ビタミンD3)に変化し、血中濃度が上がるからです。

血中濃度が低いまま歳を重ねると……

「そんなに日を浴びることが大切か」と思うかもしれませんが、そのパワーには侮れないものがあります。国立環境研究所と東京家政大学の研究チームが1日に必要なビタミンDを両手の甲や顔の日光浴だけで生成させるのに必要な時間を測定したところ、紫外線の弱い冬の12月の正午、那覇(沖縄県)は8分、つくば(茨城県)は22分で必要量が生成できたのに、札幌(北海道)ではつくばの3倍以上の76分日光浴をする必要がありました(国立環境研究所「体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定」)。

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 ところが、女性の中には日焼けをしたくないために、夏でも長袖の人や1年中日焼け止めを使う人を見かけます。先日、骨粗しょう症に詳しい医師に取材したのですが、美白ブームなどもあって、「若い人に血中のビタミンD濃度が低い人が多く心配だ」と話していました。国際的に比較しても、日本人や韓国人はとくにビタミンD濃度が低いのだそうです。

 若い時分は骨も丈夫なので、すぐに問題が出るわけではありません。しかし、血中のビタミンD濃度が低いまま閉経を迎えると、一気に骨粗しょう症や筋力低下が進んでしまう恐れがあります。ですから若いうちから意識して、1日数十分から1時間でもいいので日光を浴びるように心がけてほしいのです。