健康な人は「うつす側にならないこと」を意識して欲しい
――「新型コロナウイルスに感染し、発症してしまうと重症化するリスクが高い人を守ることが最重要」だとおっしゃっていました。具体的にどうやって守っていけばいいのでしょう。
あり まずは、老若男女、「手洗い」を徹底しましょう。
次に、重症化するリスクが低い健康な人は、とにかく「うつす側にならないこと」を意識してください。具体的には、風邪のような症状が出たら、会社や学校をすぐ休むこと。もし新型コロナウイルス感染症だったら、通学・通勤することで他の人にウイルスをうつしてしまいます。
また、風邪のような症状が出てからすぐに病院を受診するのは控えましょう。通常の風邪である可能性が高いですし、たとえ新型コロナウイルス感染症だったとしても、通常のルートで受診すると待合室などで他の患者さんにうつしかねません。
症状が4日以上続くようでしたら、各地の保健所に設置されている「帰国者・接触者相談センター」に電話の上、医療機関を受診してください。その際には、受診時に他の患者さんと交わらないように受診していただくことが重要です。どのような受診方法になるのか、医療機関に確認してください。
風邪のような症状のみの場合、早めの検査はNG
――風邪のような症状が出た場合、「新型コロナウイルスだったら」と考え、早めに検査を受けたくなる人もいるかと思います。
あり それも控えていただきたい。検査を受けられる医療機関が限られていますし、そもそも現在使われている「PCR法」は偽陰性(実際は陽性なのに、検査結果が陰性と出てしまうこと)の検査結果も多く、万能ではありません。
また、会社から「診断書をもらってきなさい」と言われて受診される方もいるのですが、基本的にはこれもやめてください。
――軽症の新型コロナウイルス感染症の人が、他人への強い感染力を持っている期間はどれくらい続きますか。
あり 残念ながら、まだよくわかっていないのです。ウイルスの陽性反応は2週間続くとされていますが、陽性反応がある期間、ずっと感染力が強いとも限らない。
ですから、新型コロナウイルス感染症と診断された人や、診断はされていなくても、風邪症状が1週間続いて感染の疑いがある人は、発症から2週間ほど自宅で休んでいただくといいと思います。