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2020/02/24

source : 週刊文春デジタル

genre : エンタメ, 社会, 国際, 芸能, 映画, 音楽

 アメリカのネットメディア「BuzzFeed」は、「この映画はいろんな意味で素晴らしい。だが最も素晴らしい部分の1つはギジョン=ジェシカ、とりわけ彼女が偽の素性を覚えるために歌う歌だ」(2019年11月9日)と伝えている。ポン監督が「日本の観客も~」と発言したのは、そんな海外での人気をふまえたジョークだったわけだ。

 この替え歌について、韓国メディアではポン監督のこんなコメントが紹介されている。

「脚本を書く時からメロディに合わせて歌詞を作ったので、正式に版権の手続きをして使った。テンポや言葉などがよく合っていて、こんな曲はほかにないだろう」(「iMBC」2019年6月2日)

「何かを覚える時にメロディをつけたりするが、”独島は我らが領土” は最もそれにうってつけだと思う」(「亜洲経済」2020年2月12日)。
 

竹島。ジェシカソングにメッセージが隠されていた? ©iStock.com

 耳に残って覚えやすいという“ 独島は我らが領土” の評判は、そもそもの成り立ちに由来している。というのもこの曲は、クセになるコミックソングとして世に知られた経緯があるからだ。

放送自粛になった過去も

 ”独島は我らが領土” は大衆歌謡調のアップテンポで単調なメロディに、「独島」の所在地や面積などを歌詞として並べた曲。もともとは、80年代初頭あたりにお笑い番組でコメディアンが歌ったのが最初だ。それが1982年6月発売の企画物オムニバスアルバムに収録されたのを機に、大学生らの間で広まった。

 当時は強圧的な軍事独裁政権下で世相が鬱屈する一方、発売翌月には日本の「歴史教科書問題」が大きな批判を招いた時期だ。そんななかで大学生たちは ”独島は我らが領土” を歌って反日感情を発散し、鬱積した不満を晴らしたのだろう。