体育大学に通う女子学生ミュージシャンには、しまざき由里がいた。1975年に東京女子体育大学に入学するが、すでに、『みなしごハッチ』の主題歌を唄っており、音楽歴は長い。大学入学後はドラマ『Gメン’75』のエンディングテーマを担当していた。
1978年、青山学院大の学生を中心としたサザンオールスターズが「勝手にシンドバッド」でデビューした。キーボード担当の原由子は青学の女子学生だった。
1980年代、ポプコン(ヤマハポピュラーソングコンテスト)出身の女子学生がデビューを果たしている。
1982年、椙山女学園大の岡村孝子と加藤晴子のデュオグループ、あみんが、ポプコンで「待つわ」を歌いグランプリを受賞し、すぐにデビューした。「待つわ」は同年のオリコン年間売上1位となり、紅白歌合戦にも出場する。
1983年、奈良女子大の辛島美登里はボプコンに近畿地区代表で出場、グランプリを獲得しており、同年の世界歌謡祭にも出場した。のちにクリスマスソングの定番となった「サイレント・イヴ」を大ヒットさせている。
関西大のyaiko、立命館大の倉木麻衣
1990年代、関西大の矢井田瞳(yaiko)がデビューしている。2000年に「My sweet darlin'」が大ヒットした。学生時代をこうふり返っている。「デビューして1~2年はまだ大学生だったので、親から『卒業はしてね』って言葉では言われなかったですけど、すごいプレッシャーがあったし(笑)、私も卒業したかったので、月~金曜は大阪で大学へ行って土~日曜は東京で仕事という。で、どちらも頑張りたいと思っていたし、若さで乗り切りたい!みたいな感じだったので」――ネットマガジン『BARKS』2019年8月9日
2000年代、立命館大の倉木麻衣は高校時代からデビューしていたが、大学入学後、音楽活動を中断することはなかった。こうふり返っている。
「両立の難しさは覚悟していたものの、やはりレコーディングと試験期間が重なってしまった時は特に大変でした。スタジオに教科書を持ち込んでテスト勉強をしたり、宿題をしたり。睡眠不足が続いてくじけそうになることもありましたが、周りのサポートで乗り切ることができました。欠席した授業のノートを貸してくれた友達、講義内容を丁寧にフォローしてくださった先生方には本当に感謝しています」――立命館大校友会ウェブサイト