一般的な結婚においても、金銭をめぐる価値観というのは非常に重要なポイントと言える。それが国民の税金で成り立つ皇室が関わる結婚であれば、小室家の金銭感覚は重大な国民的関心事だろう。秋篠宮さまの「多くの人がそのことを納得し喜んでくれる状況」というのは、そうした皇室の結婚をめぐる深い事情を熟慮された上での、お言葉だったのではないか。
【2】自由恋愛という“壁”――皇族の結婚は当人の自由なのか?
「私は、結婚においては当人の気持ちが重要であると考えています。ですので、姉の一個人としての希望がかなう形になってほしい」
昨年3月、大学卒業時に発表した文書でこのように回答したのは、佳子さまだ。
自由恋愛が当たり前の世の中でも、皇族のご結婚となるとさまざまな制約が生じてくる。実際、紀子さまは今年9月、誕生日の文書で、「長女の気持ちをできる限り尊重したいと思っております」と述べられた。
この“できる限り”という表現に、特にお気持ちが込められていると語るのは、元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司氏だ。
「このお言葉から、本人の意思は尊重してあげたいけど、一方で許容範囲はある、というお考えがうかがえます。小室さんへの不信感を今も変わらずお持ちになっているように感じます」
そもそも女性皇族の結婚には、どんな手続きが必要なのか。
「男性皇族の結婚は、ご本人の意思を踏まえたうえですが、皇室典範で定められているように皇室会議の議を経なければなりません。しかし、女性皇族についてはその規定がありません。女性皇族の結婚は私的なことであり、法的には一般の国民と同様に本人の意思だけで可能です。
女性皇族が結婚により皇籍を離脱される場合、国から一時金が支給されますが、その額を決めるために内閣総理大臣や衆議院議長など8名で構成される皇室経済会議が開かれます。一時金は国庫、つまり税金から支払われる以上、会議のメンバーが国民感情を意識するのは当然です」(同前)
「小室さんは皇族に対する感覚が独特」
さらにお代替わりによって、“ある手続き”が改めて必要になるかもしれないという。
「天皇が結婚を認めたことを示す『裁可』です。裁可は天皇家の決め事で法的根拠があるわけではありませんが、2017年の婚約内定発表は、そのときの天皇であった上皇陛下の裁可を得た後に行っています。御代替わりがあったことで、現在の天皇陛下の裁可が必要になる可能性もあります」(同前)
上皇后・美智子さまは皇室に入られた際に、「民間から私を受け入れた皇室と、その長い歴史に、傷をつけてはならないという重い責任感」を感じたと、70歳のお誕生日に明かされている。さらに、民間出身として「庶民の歴史に傷を残してはならない」という思いがおありだったという。
小室さんは皇室に入るわけではないが、それでも皇室に対する意識に疑問を感じるとの声もある。