「ガラケー第一世代」と「スマホ第一世代」の違い
「ゆとり世代」の特徴の一つとして、思春期から携帯電話を持ち始めた最初の世代であり、それによって「同調圧力」が強くなった、というものがありました。
ここで重要なのは、「ゆとり世代」は確かに「携帯電話第一世代」ですが、もっと厳密に言うと「ガラケー第一世代」である、という点です。
一方、Z世代は、1台目からスマホを持っている「スマホ第一世代」です。
思春期から携帯電話を持ち始めた、という点でこの二つの世代は共通していますが、実はこの思春期から「ガラケー」か「スマホ」かの違いこそ、この二つの世代を似て非なるものに特徴づけているのです。
日本の若者は携帯電話依存が強い
これは余談ですが、日本の高校生、大学生の自分専用のパソコンの所有率は世界的に見て低く(少し前のデータだが、内閣府の「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」〈2013年度〉によると、16~19歳の自分専用のノートパソコンの所有率は、日本58.0%、アメリカ83.3%、イギリス82.0%、ドイツ72.0%、フランス83.8%)、それだけ日本の若者は携帯電話依存が強く、彼らを分析する上で携帯電話というものが大きな一因子になっていることは、前提としてお伝えしておきます。
パソコン並みの機能があるスマホと違い、ガラケーは画面も小さく、検索結果の量や質にも限りがあり、スマホほど検索行為は行われませんでした。
また、様々な機能も制限されていたため、「ガラケー第一世代」だった「ゆとり世代」は、前述のように、携帯メールやmixiや「前略プロフィール」(いわゆるプロフサイトの先駆けで、手軽に携帯電話で自己紹介ページが作成できるもの)などの主に人間関係ツールを多く使用し、その結果、「同調圧力」が強くなりました。
これに対し、Z世代は「スマホ第一世代」であり、検索もするし音楽(一応ガラケーでも音楽を聴けたが、スマホと比べると色々な制限があった)も聴くし動画も見るなど、多様な機能を使いこなすようになっています。