近年、にわかに注目を集めているのが、Chromebook(クロームブック)と呼ばれるノートPCです。見た目は一般的なノートブックですが、WindowsやMacではなく、「Chrome OS」というGoogle製の独自OSを搭載していることが特徴です。

 注目すべきなのはその出荷台数の伸びです。 MM総研の「国内Chromebookの市場規模調査」によると、2020年における国内出荷台数は前年から10倍以上伸びて157万1000台に達するほか、シェアは2019年の1%から13%へと急成長を遂げています。全国の小中学校で全生徒にパソコンを1台ずつ配備する政府の「GIGAスクール構想」が前倒しになったことに加え、コロナ禍でのテレワーク需要も、これを後押しした格好です。

 安い製品だと5万円以下で購入できてしまうこのChromebook、WindowsやMacとは何が違い、またどのような利点があるのでしょうか。Chromebookの初心者が知っておくべき、5つのポイントをまとめてみました。

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今回は日本HPの「HP Chromebook x360 14c」(写真右)と、レノボの「IdeaPad Duet Chromebook」(写真左)という2機種のChromebookを例に、特徴や選び方のポイントを紹介します

Q1.そもそもChromebookって何?

A.Androidアプリが動く格安ノートと考えればOK

 Chromebookは、Googleが開発した「Chrome OS」なる独自OSを搭載しています。このOSの特徴は、Android向けに作られたオフィスアプリやゲームアプリがそのまま動作することです。Androidアプリは100万点以上あると言われますので、プラットフォームとしては新興でありながら、これらの充実度合いでは、ほかにひけをとりません。

HP Chromebook x360 14c」。CPUがCore i3-10110U、メモリ8GB、フルHDと、Windows PCであってもミドルクラスで通用するスペックのChromebook。実売価格は69,800円(税抜)から
コンバーチブル仕様で、画面を反転させてタブレットのように使えます。画面サイズは14インチ

 またChromebookが注目を集める理由の一つにその「安さ」があります。多くの製品は数万円以下、格安の製品ともなると2~3万円程度と、ほかのプラットフォームでは考えられないほど安価で入手できます。CPUやメモリが充実した上位機種でも10万円を超えるのは稀で、コストパフォーマンスのよさは際立っています。

IdeaPad Duet Chromebook」。10.1インチのコンパクトな画面ながらフルHDに対応、かつ1kg以下で持ち歩きにも最適なChromebook。実売価格は41,738円(税込)も、セール時には一時的に2万円台となることも
キーボードおよびスタンドカバーを取り外し、タブレットとしても利用できる2in1スタイルが特徴

 ちなみになぜ「Androidノート」と呼ばれないかというと、もともと別系列の製品として誕生し、世代を重ねるうちにAndroidアプリが動作するようになった経緯があるためです。Androidアプリとの互換性が高まった現在では、キーボードを装着したAndroidタブレットと言っても差し支えない性格になっています。