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 また「部屋の中をだいぶ汚しましたね」「こんなものでは一文にもなりませんよ」などと心ない業者に乱暴なもの言いをされる、また悪意はなくとも遺品を粗末に扱われるといったことは、直接的な心のトラブルと言えます。さらにお金やもののトラブルが重なると、遺族の心はズタズタになってしまいます。

その2:不法投棄

 2014年8月、十勝地方の空き地などで中古家電製品が300台以上も不法投棄されているのが見つかり、札幌市の廃品回収業者が逮捕されました。冷蔵庫やパチンコ台などの廃棄物約160キロを私道などに捨てたとのこと。

 また翌月には宮城で、これは産業廃棄物の業者ではありますが、建物の廃材や廃プラスチック、焼却灰などを不法投棄したとして中間処理業者が現場検証を受けました。最終的な不法投棄量は数百トンに上ると見られています。

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不法投棄のトラブルに巻き込まれてしまうことも… (写真はイメージ)©iStock.com

 なお同時期に熊本でも逮捕者が出ました。解体業者が、家屋を解体して出た木くずやコンクリート片など約70トンを、熊本市の空き地に捨てたとのこと。

 このように不法投棄事件は後を絶ちません。不法に投棄されるものは産業廃棄物などの場合も多いのですが、遺品整理で引き取ってきたものも大量に紛れ込んでいます。もしかしたら、このようなニュースを日ごろから目にする人には「よくあること」かもしれません。そのような業者にかかわってしまっても、運が悪かった、しょうがないという考えの人もいることでしょう。

 しかし、想像してみていただきたいのです。他のおびただしい家電などと一緒に雨ざらしになっているのが、自分の持ちものだった品ではなく、母親の嫁入り道具の鏡台だったとしたら。家族の思い出がたくさん詰まっているちゃぶ台だったとしたら。愛する人が使っていたものが、きちんと処分されることなく打ち捨てられ、環境破壊の一部を担ってしまっているとしたら……。

 謝るべき故人はすでにいません。

その3:不正な買い取り

 2014年3月12日の東京スポーツ一面に「震災から三年 仮設住宅 遺品に群がるハイエナ業者」というショッキングな見出しが躍りました。遺品整理業者が、「遺族がおらず誰からも文句を言われないから、とタカをくくって高価な遺品を買い叩いている」という現状が報じられたのです。