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宇宙オタクのぼくが込めたメッセージ

 夢物語の媒体だからこそ、作品によっては数100万人という読者や視聴者が触れてもくれる。

 であればこそ、その無数といえる(若い)ヒトに一定のメッセージを届けることができるという良さもあると気づいたので、ぼくはなんらかの“ためになること”を描き込むこともできると考えた。

『G-レコ』を企画したときにこれを意識して、作品中に表れる事象や物は、今後500年経っても実用化されることはないだろうが、このレベルの事物の発明がなければ、ヒトは宇宙に進出はできない、というメッセージをこめたのである。

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 小学校5年生の頃から火がついた宇宙旅行オタクが、まさかこのように考えるようになったのかと呆れているのだが、おそらく長年宇宙を舞台にしたアニメを創ってきた経験が成せる業なのだろう。

 しかし、アポロが月に人類の偉大な第一歩を印して半世紀、国際政治的に語られている宇宙開発というキャッチフレーズは、20世紀からの延長線上にある覇権主義的発想から出ている妄想でしかない。でなければ、近代以後、SFマインドに汚染された夢想なのだ。

地球で延命できる方策こそが最大のテーマ

 政治的ムーブメントの怖いところは、妄想をリアルにしてしまうところで、そういうジャンルにいる天才的で生真面目な才能を浪費してもらいたくはない。そんなものにのって巨額の税金を浪費させることも阻止したいのだ。

 宇宙開発は静止衛星軌道上にあげた人工衛星の利用までが限界で、火星にヒトを送り込む意味はないし、月での陣地争いがかつての植民地時代の植民地的機能を充当することもない。

 もちろん、次の世代の天才が発明した知見と事物で可能というのなら、やってもみせてほしいのだが、それは本当の子供の夢であって不可能だろう。

 その絶望を直視したくないから、月や火星が地球にヒトが住めなくなったときの移民先にするといったアイデアを持ち出すのだろうが、それはSF以下なのだ。

 地球上でヒトが延命できる方策だけを考えてほしい。そのために全知全能をかけなければならない時期はとっくの昔に来ているのだから……というのが、『G-レコ』という作品の最大の企画テーマなのである。

©創通・サンライズ

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