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 以下は、前文以後、実作業にはいってから決め込んでいった各論なのだが、設定作業にはいってからのものを引用したものもつづけていく。

 しかし、確認しておきたいことは、前稿で記されている宇宙世紀史は、ガンダム・ワールドの歴史をなぞっていないので、それは留意していただきたい。

富野由悠季氏

ガンダムワールドで語られていない宇宙世紀史

 それは核融合炉ロケットの登場と宇宙エレベータの建設に関係する部分、そして、ルナツーの扱いを変更している点だ。

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 つまり、移民という規模の大量輸送を可能にするためには、核融合炉ロケットという高性能の輸送手段を創出しなければできず(現実的には不可能だろう)、本来なら宇宙エレベータの建認を待ってのことではないと併記した。

 ルナツーという小惑星のあつかいも、宇宙世紀史では曖昧であったので、本作に登場させたシラノ-5に変貌していると想定したことから、前稿から成ったと理解していただきたい。

 これらの事項はファースト・ガンダムの世界で語られていないから、宇宙世紀の通史を語るなら必要であろうという提案である。

 しかし、なんとなく通常の科学燃料ロケット(現在人工衛星打ち上げに使われているロケットのこと)で移民がおこなわれていたことになっているのだが、移民という規模である。地中海をゴムボートからはみ出るくらいギュウ詰めにして横断するというレベルではないのだ。低軌道の衛星軌道からさらに高度を上げて、スペース・コロニーに辿り着かなければならないのだから、その間に、空気と水と食料の問題があるので、せめて、前項のような設定を想像しなければ、宇宙移民はあり得ない。それが『G-レコ』をやってみての結論でもある。

ディテールの変更はいくらでもある

 そして、シナリオは前記の設定をもとに執筆をしたのだから、新たな設定変更は発生しているし、ぼくの悪い癖で、コンテを切っていくあいだにも、シナリオの変更をくわえていったので、ディテールの変更はいくらでもある。

『G-レコ』の場合は、ぼくがシナリオのすべてを書いたから、誰からも文句はいわれなかったので、気楽にコンテに入れた。しかし、何本かのコンテは、若手のスタッフに発注をして、そのコンテにも修正を入れるのだが、コンテでの修正は、物語そのものの軌道修正をすることはできない。

 固有名詞の確定であったり(シナリオで名前がなくてコンテで決めるケースは多い)、事象のディテールを変更するていどで、その部分の修正について本書で記すことはできなかった。

 なぜなら、修正をくわえた時点で、前のことを忘れてしまうからで、比較資料がなくなるからだ。