文春オンライン
【「脱出島」放送再開】《TBS『冒険少年』“やらせ疑惑”を追う》大量に船に積まれる竹、浮き、ノコギリ、釣竿… ロケ前日にはスタッフが宿舎で釘をバーナーで炙り、カーンカーンと… 『脱出島』撮影現場で見たリアル

【「脱出島」放送再開】《TBS『冒険少年』“やらせ疑惑”を追う》大量に船に積まれる竹、浮き、ノコギリ、釣竿… ロケ前日にはスタッフが宿舎で釘をバーナーで炙り、カーンカーンと… 『脱出島』撮影現場で見たリアル

疑惑の「脱出島」 #2

note

 TBSの人気番組『アイ・アム・冒険少年』(毎週月曜日19時~)の人気企画「脱出島」が5月30日に約4カ月ぶりに放送される。冒険ゲストには“元祖サバイバル芸人”よゐこ・濱口優が登場。16度目の参戦になるあばれる君と元国民的アイドルNと三つ巴の真剣勝負に挑む。「脱出島」については、文春オンラインが1月9日に“やらせ疑惑”を報じていた。

 TBSは、出演者であるあばれる君を乗せたイカダを小船が牽引したワープ行為などの演出について、「出演者の安全面を考慮しての対応だった」とし、「今後の放送に影響はありません」とスポーツ紙の取材に回答している。

 しかし、1月22日には番組の公式サイト上で「当番組は大自然を舞台に、番組が設定した環境の中でさまざまなミッションに立ち向かい、時にはスタッフと力を合わせながら、全力で頑張る出演者の勇姿を楽しんでいただくアドベンチャーバラエティーです」と改めて番組の趣旨を説明。

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 そして「メイン企画『脱出島』は暖かくなった頃に皆さまにお届けしたいと思っています。これからも応援よろしくお願いいたします」としていた。「脱出島」の新たな船出はどんなものになるのだろうか? 当時の記事を再公開する。

(初出2022年1月9日、肩書き、年齢等は当時のまま)

 TBSの看板番組『アイ・アム・冒険少年』の人気企画「脱出島」。そこに“やらせ”行為があったという。「文春オンライン特集班」は現地で、番組の常連で絶対的王者・あばれる君(35)が漕ぐイカダが小船に牽引される姿や、出演者が一人で作ったかのように放送されたイカダや「脱出」のための小道具を、大人数のスタッフが組み立てる姿など様々な“疑惑”の瞬間を目にすることになった。取材班が現地で取材した過酷な現場の全容を詳報する。(#1の続き)

◆◆◆

去年の8月、スタッフの中からはコロナ陽性者が出たことも

 マングローブをはじめとする亜熱帯の豊かな森や、美しいサンゴ礁に囲まれた奄美大島は、周辺の島と共に2021年7月に世界自然遺産に認定された。「脱出島」のロケ地・A島は、奄美空港から100キロ以上離れた島のへき地にある。

撮影で使用されたA島 ©文藝春秋 撮影:細田忠

 地元住民が言う。

「A島に行くには空港から車で2時間、さらに港町から船で40分かかる。入島するには地主や近隣集落の区長の許可が必要で、昔は自衛隊の合同訓練でつかわれた島。今は釣り人や観光客がたまにくる程度で島民も余程のことがないと近寄らない。『脱出島』のロケ地だってことは勿論、島民は皆知っているし、話題にもなっているよ。あの番組は“やりすぎ”だって(笑)。

 番組にはよくイカダの材料として『漂流物』ということでたくさんのゴミがでてくるけど、世界自然遺産の島がゴミだらけなわけがない。奄美が“ゴミの島”のように捉えられるのは困る。あの番組のスタッフは去年の8月、コロナが蔓延している際にも島にロケにきて、スタッフの中からはコロナ陽性者が出たこともあったようだ。このあたりは老人だらけだし、『感染が広がったら…』と怖がっていた人もおったよ」

 過去にA島にいったことがあるという島在住の30代男性番組ファンは番組の演出にこう首を傾げた。

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