1ページ目から読む
2/3ページ目

とても素人が生活できる場所ではない

「『脱出島』でいつも使っているA島までスタッフや芸能人を運ぶ船の所有者は、番組のお偉いさんとも仲良しだそうです。その方に私は『脱出島は結構、“演出”が多いのではないか』と聞いてみたことがあるんですが『絶対ない』と否定していました。ただ、私がA島に行った時には、海岸に若干のゴミが流れついていましたが、番組に出てくるような『浮き』や『一斗缶』は見あたりませんでした」

 取材班が奄美大島で番組スタッフを確認したのは2021年11月21日のことだ。

 10名以上の男性スタッフが、A島から程近い港町の民宿を1棟貸切り、女性スタッフ数名はホテルに宿泊していた。あばれる君のロケは11月25日から予定されており、#1で報じたとおり、スタッフは連日“作業”に追われていた。

ADVERTISEMENT

釘をバーナーで加工するスタッフ ©文藝春秋 撮影:細田忠

朝早くから夜遅くまで、ガレージで毎日何かを作っていた

 スタッフらが泊まった民宿の関係者が明かす。

「ロケの際は総勢20人以上が1週間以上、民宿を貸切にして宿泊しています。『脱出島』に挑戦するタレントは1、2泊するくらいですが、スタッフさんたちは何日も前から準備をしていて、疲弊しきっていますね。食事もコンビニ弁当、部屋は相部屋、ベッドは2段ベッドでプライベート空間もない。風呂もシャワーのみです。朝早くから夜遅くまで、ガレージで毎日何かを作っていましたね」

 11月23日、民宿1階部分のガレージでは数人のスタッフが、何本もの長い釘をガスバーナーで炙り、トンカチで叩いていた。カーンカーンと、釘を叩く音は2時間以上近隣に響き、火花を散らせた釘は細長いナイフ状に変形していた 。

釘を加工するスタッフ。同様の加工が番組内でも行われたというが…? ©文藝春秋 撮影:細田忠

 同様のものを1月3日に放映された番組では、あばれる君が、「釘ナイフ」と命名し、使用していた。

番組内であばれる君が「作った」五寸釘ナイフ

 番組では「釘ナイフ」はA島にいるあばれる君が島で自ら発案し、製作も一人で行ったように放送されていた。となるとなぜスタッフは事前に複数の「釘ナイフ」のようなものを作れたのだろうか?