岸田首相の発表の前、毎日新聞のコラムではこんなくだりがあった。
《例えば憲法改正では岸田氏も含めて「改憲が宿願だった安倍さんの遺志を継ごう」という声が強まっていくのではないだろうか。ムードに流されない議論が必要だ。》(7月13日・与良正男専門編集委員)
最近の風潮にも触れている。
《批判なき政治は独裁を生む。ところが最近、批判は「悪口」だと見なされて、いけないことだという風潮がある――と私は再三、書いてきた。事件を機に権力批判を封じる(あるいは控える)空気がさらに広がるのを危惧する。》
今回は批判どころか議論すらあっという間に封鎖された。岸田首相の決断は民主主義を守り抜くどころか「民主主義への挑戦」にみえてしまう。これをきっかけに今後も次々に挑戦がおこなわれるのだろうか。
注目したい追悼方式は…
国葬か国民葬か合同葬か。冒頭にあげた産経新聞の記事にある解説をもとに考えると、私が注目したいのは「国民葬」です。
「国葬」は吉田茂氏のときも異例であったことがわかるし、「合同葬」だと「安倍さんの首相としての任期は過去の合同葬で見送られた誰よりも長い」という声も出るだろう。その点「国民葬」(過去では佐藤栄作)だと安倍氏の首相在任期間はまさに佐藤栄作氏と双璧だし、ポイントは「内閣と自民党、国民有志が共同で実施。費用はそれぞれが支出した」という点です。これだと税金投入は一番少なそうだし(かからない?)、すでにニュースで伝えられるように安倍氏を悼む人々の多さを考えると国民有志からかなり費用が集まりそう。むしろ国葬より盛大な式ができる予感もする。
様々な意見が出れば、各形式に対するメリット・デメリットなどもっと細かい議論も出てくるはずだ。そしてまた考えることができる。
岸田さん、もう少し議論したらどうでしょうか。