1ページ目から読む
4/4ページ目

性の正しい知識を得るために

 また、昨今では、アダルト動画を見過ぎて健康や性生活に支障が出る「ポルノ中毒」についての懸念も広がりつつあります。

 そのため、オナニーの方法も含めた細かな指導と包括的な性教育が必要になっていると僕は考えています。

©iStock.com

 昨今、性教育のための一般書がベストセラーになったり、さまざまなメディアで取り上げられたりするようになりました。教育関係者だけでなく、多くの保護者が、家庭内における性教育について、真摯に考え始めていることが分かります。

ADVERTISEMENT

 書籍だけでなく、最近では性教育のための専門のウェブサイトも数多く見かけるようになりました。僕自身も、TENGAヘルスケア社が運営している性のためのウェブメディア「セイシル」(https://seicil.com/)で、若年層の性の悩みに回答を寄せています。

 現代は、性の正しい知識を得るためのオプションがさまざまに存在しているので、自分にとってアプローチしやすいものを選ぶとよいでしょう。

子どもの性教育は恥ずかしがらず、隠すことなく、淡々と

 また、親御さんたちから「いつ性教育について教え始めればよいですか?」という相談もよく受けますが、僕はいつも「子どもさんが自分から聞いてきた時が、教え時です」と答えています。内容にもよりますが、まだ特に興味もない時期に、親がわざわざ教える必要はないと考えています。ただ、プライベートパーツの意識については、幼少期から入浴時などに親が教える必要があると思います。

 動物園に出かけた時などに、たまたま動物が交尾しているところに出くわし、「あれは何してるの?」と子どもが聞いてきた……などが、よくあるシーンです。その時には、自然な流れで子どもができる仕組みを答えてあげてください。

 そのような時に慌てないために、「聞かれたら、こう答えよう」と準備しておくとよいでしょう。夫婦で話し合っておくのもお勧めです。恥ずかしがらず、隠すことなく、淡々と説明できるようにしておいてください。

 ちなみにわが家では、子どもたちが思春期の頃に中高生用の性教育本を一冊ずつ渡しました。本であれば、自分で気になった時に、気になる箇所を、誰にも気兼ねせずに確認できるからです。

 また、よいと思える性教育本を、直接渡さなくても、家族共有の本棚に並べておくのもいいでしょう。興味を持った時に、子どもが自ら手に取って、勉強してくれると思います。

射精道 (光文社新書)

今井 伸

光文社

2022年9月14日 発売