大阪発祥のラーメンチェーン「どうとんぼり神座(かむくら)」の運営会社が、コロナ禍で苦しむ企業に国が支給する「雇用調整助成金」を不正に受給していた疑いがあることが「週刊文春」の取材で分かった。内部資料を入手した。

 あっさりとした醤油スープと白菜が特徴の「神座」。関西と関東を中心に国内69店舗を展開する人気ラーメンチェーンだ。

国内69店舗を展開する人気ラーメンチェーン「どうとんぼり神座」

「週刊文春 電子版」は9月15日、「創業者を息子が解任 人気ラーメンチェーン『どうとんぼり神座』父子の言い分」と題し、同社で勃発した“お家騒動”を報じた。

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 創業者の布施正人氏(72)が小誌の取材に2021年4月に株主である妻と息子2人によって一方的に社長職を“解任”されたと告白。一方、社長に就任した正人氏の次男・布施真之介氏(39)に取材を申し込むと、9月12日、大阪のオフィス街・中之島の高層ビル1階にある喫茶店で応じた。父の“解任”については「そんなことは1ミリもありません」と反論。「(正人氏を解任した)株主総会はきちんとした手続きでやっている」などと主張した。

現社長の布施真之介氏(同社プレスリリースより)

 この取材の席で、真之介氏は自身が社長に就任した後の経営状態についても説明し、「業績も最高益を出した」と胸を張っていた。

「雇用調整助成金」を不正に受給していた

 ところが——。同社の関係者はこう告発する。

「社長は最高益を出したと胸を張っていますが、聞いて呆れますね。というのも、昨年(2021年)の春から秋にかけて、神座は幹部社員らの勤務実態を偽ってコロナの雇用調整助成金を不正に受給していたのです」