あっさりした醤油スープと白菜が特徴のラーメンで知られる「どうとんぼり神座」。関西と関東を中心に69店舗を展開し、熱心なファンも多い。今年7月には初の海外進出となる、米国ハワイの店舗もオープンした。
神座のキャッチフレーズは“フレンチシェフが生み出したラーメンレストラン”。西洋料理人出身の創業者・布施正人氏(72)が守り続けてきた伝統の味を今なお提供し続けている。
ところが、2021年春、その正人氏が社長を辞任した理由が、次男・真之介氏ら家族による事実上の解任だったことが「週刊文春」の取材でわかった。
妻・長男・次男が結託「会社の乗っ取りですよ」
神座は布施正人氏の一族が経営する企業。親会社の「理想実業」の下に、店舗を運営する「どうとんぼり神座」、店舗物件を所有する「プロデュースカンパニー」など複数の子会社がある。これらの会社の登記簿を見ると、2021年4月、正人氏は代表取締役を、妻・維久子氏は取締役をともに「辞任」し、代わって次男の真之介氏が代表取締役に就任している。
同社関係者が明かす。
「親会社である理想実業の株主比率は正人氏が40%なのに対し、維久子氏(妻)、直人氏(長男)、真之介氏(次男)の3人の家族が20%ずつ保有。この3人が結束し、社長の正人氏を“解任”したのです」
創業者の正人氏に取材を申し込んだところ、重い口を開き、「子どもたちがやってることは(会社の)乗っ取りですよ」と初めてメディアに経緯を語った。