その結果、入社してすぐに「情報ネットワーク」を構築できた人は、3か月後のメンタルヘルス4指標がすべて良好で、組織にスムーズに適応していました。
一方、「友好ネットワーク」の影響は自尊感情とワークモチベーションの2指標のみに限定されていたのです。右も左もわからない新卒社会人が、「会社」という組織の一員になる第一歩は「仕事」がわかること。そのための役立つ情報なのです。
ベテラン会社員の役割を演じよ
勝ち組・負け組、上級国民・下級国民、といった極端な二分法で分断された社会は、「絶対に下に落ちたくない」という恐怖心をあおります。とかくSNSを使ったコミュニケーションを主流にする若い世代は、常に「誰か」との比較にさらされている。情報過多社会に生きている世代だけに、知っていることはいいこと、情報のアップデートは必要不可欠、といった価値観が刷り込まれているのです。
ついつい「私」たちは、後進育成=教育と考えたり、後進育成をする前に、ちょっと一杯飲める親密さを築こうとしがちです。
しかし、仕事に対する価値観も違う若者とのコミュニケーションはすれ違いがち。こちらにそのつもりがなくても、「パワハラ」と受けとめられてしまうリスクもあります。
ならば、「一緒に働く同じ会社員」というスタンスで、自分が若かったとき、新しい仕事をしたとき、なかなか結果を出せなかったときを思い出して声をかける。「私」が半世紀近くを生きたベテラン会社員としての役割を演じることで、若者の生きづらさをやわらげることができます。
・上司や先輩から教えてもらって役立った情報
・自分が仕事をする上で情報源にしていたメディアリソース
・役に立った本や資料
これらを、「ま、暇だから」くらいの気持ちで伝えれば十分です。時間は1分もかかりません。労力もほぼゼロです。愛をケチらなければ、誰だってできます。なんのスキルも能力もいりません。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。