「やりたくて、できること」が見つけやすくなった
「どんなことだって、やればできる! 可能性はゼロじゃない」
両足をなくす前、心のどこかで思っていた。私に限らず、健常者は少なからずそう思っているだろうし、学校なんかでも「夢はかなうと信じよう、ポジティブに考えよう」と教えられがちだ。
でも、「なんでもできる」と言われたら、逆に困らない?
「なんでも」ってよくわからないし、「やればできる」って呪いみたいだ。
あまりにもたくさん選択肢がありすぎて、いったい何をしていいのか、迷子になりそう。
そしてできなかったら、「努力が足りない」と自分を責めてしまいそうだ。
だけど今の私は、「これはできない・あれはできない」と、物理的にできないことがはっきりある。
だからこそ、自分が「やりたくて、できること」が見つけやすくなった。
私が一番好きな色は赤だけど、もしもこの世界にある色のすべてが好きで、そのすべての色が似合っていたら困ると思う。
スマホケースの色をなんにするかも選べないだろう。
でも、好きな色と似合う色があったら、「私はこれ」ってすぐに選べる。
できないことがあると、できることがわかるって、これと似た感じだ。
何ができるか見えてきたら、やろうと決めてやるだけ
両足をなくして、「私はこれ」って選べるようになった。
無数にあった選択肢がほどよく絞られて、それでもまだまだたくさん選択肢はあって、快適で、ちょうどいい。
好きなように選んで、好きなように楽しんで、だからとてもハッピーだ。
ある意味、生きやすくなったと思ってる。
16歳までの私は、いつも将来や未来ばかり楽しみにしていた。
25歳の私は、今を全力で楽しもうと思うようになった。
できないことがあったら、何ができるかが、はっきり見えてくる。
何ができるか見えてきたら、やろうと決めて、やるだけ。
ね、わりと簡単な話だよね?
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