多額の公金が“身内”のようなTM社に流れている構図
県議会関係者が指摘する。
「S氏は薬局関係の会社を経営しており、名義貸しのようなもの。県議会は政活費の運用指針で、親族や本人が代表を務める会社への支出には慎重な対応を求めており、表向き代表を降りたのでしょう。ただ、現在も田村氏が、毎年同じレイアウトに文章をはめ込んでいると聞きます。しかもTM社の印刷費はネット業者の2~3倍の価格。不当に多額の公金が“身内”のようなTM社に流れている構図で、党内からも疑問の声が上がっています」
田村氏に事実関係の確認を求める質問状を送付したところ、代理人弁護士名で主に以下のような回答があった。
「有限会社TMコーポレーション(株式会社TMコーポレーションに商号変更。以下、「同社」といいます。)は、田村氏が埼玉県議会議員に就任する前の2003年に同氏が設立したものですが、2013年、田村氏が100パーセント保有していた同社株式は全て第三者に譲渡されており、同社取締役からも退任しています。妻(回答は実名)も同時に同社取締役から退任しております。それ以降、田村氏(及び妻)は同社の経営に一切関与しておらず、同社を実質的に支配しているとの事実もございません。
また、『チャレンジスピリッツ』の印刷は同社が信頼できる印刷業者である等の理由から同社に発注したものです。『県議団ニュース』については、田村氏が同社を県議団に紹介し、同社に相見積もりを依頼したことはありますが、その後の発注業務は県議団において処理されているため、同社に発注された理由の詳細については分かりかねます。
埼玉県議会制定の『政務活動費の運用指針』において、『配偶者、被扶養者、同居者など生計を一にする者や自らが代表者・役員等の地位にある法人に対する支出は、実費の弁償ではないとみなされるおそれがあるため慎重な対応を要する。』とされていますが、事実関係は上記のとおりであり、同社に対する印刷発注の支払いに政務活動費が充てられたことは、上記『政務活動費の運用指針』に何ら抵触せず、不適切な点はないものと存じます」
政活費に詳しい神戸学院大の上脇博之教授が指摘する。
「公金である政活費の使途には極めて高い透明性が求められます。県議が形式的に取締役を務めていなくても、実質的にその人の会社となれば、運用指針に抵触し得る。相場よりも金額が高ければ、差額分が寄附に当たりかねない。十分な説明が求められます」
10月18日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」および10月19日(木)発売の「週刊文春」では、田村氏と受付嬢の「不倫キス」写真の詳細のほか、TMコーポレーションの現代表取締役S氏との一問一答などについても報じている。
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