「論破王」として知られるひろゆきさんは、実生活では論破は役に立たないといいきります。その理由とは……。新著『ひろゆきさん、そこまで強く出られない自分に負けない話し方を教えてください!』(サンマーク出版)より一部抜粋。ひろゆきさん本人が「日常生活の議論で勝とうとしない理由」について解説します。(全2回の前編/続きを読む)

僕が日常生活では議論で勝とうとしない理由

 最初に言っておきますが、実生活で論破は役立ちません。

 職場でも学校でも何か集団があれば、おかしな意見が通ったり、そのせいで理不尽な思いをしたりして、モヤっとすることは、誰にでもあります。

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 その気持ちはわかるんですけれど、そんな時にむやみに勝とうとしても、勝ち負け以前に意味がありません。

ひろゆき氏 ©️時事通信社

 だって、かりにあなたが相手を打ち負かしたからといって、それってあなたが一瞬気持ちよくなるだけですよね。結局、相手が心の底から納得していなければ、実際のところ何も変わらないし、ただただ関係が険悪になって、かえってよくない事態を招いてしまいます。

 討論番組だったら、エンターテインメントの世界なので、論破することにそれなりの意味はあるんです。でも、実生活での論破はまるで役に立ちません。家族や同僚を口喧嘩で言い負かしても、べつに何も解決しませんからね。

 ですので、いつも言い負かされている自分が嫌で、なんとかそういう自分を変えたいな、と思っているなら、そもそもの「勝ちたい」という目標を見直したほうがいいわけです。

 だからといって「負けに甘んじろ」と言うつもりはありません。

 うまく自分の考えを伝えきれないなと思う人、相手に押されがちだなと思う人には、そうした人なりの、やり方があるんです。

 本書ではそのやり方を紹介していきますが、まずは会話する中で「勝ち負け」にこだわる意識をはずしてみてください。