Q 「マイナス金利の解除」で何が起こるのですか?
日銀(日本銀行)がマイナス金利政策を解除し、17年ぶりに金利を引き上げることを決定しましたが、私たちの暮らしにはどんな影響があるのでしょうか?(50代・女性・主婦)
A いずれ住宅ローンの金利も…
マイナス金利とは、お金を預けておくとお金が目減りすることを意味します。そんなことになったら、みんな預金なんかしませんよね。ですから、マイナス金利とは私たちと金融機関との間の金利ではありません。一般の金融機関と日本銀行の間での話なのです。
一般の金融機関は日銀に口座を持ち、一定額のお金を預けておくことが義務付けられています。ところが民間の金融機関は「景気が悪くてお金を貸し出す先がないから、日銀に預金しておこう」と考え、日銀の口座に多額のお金が眠っていました。日銀としては、「預金先を開拓しろ」と、「一定額を越えた預金に対して金利をつけるぞ」と通告したのです。「ボーっとしてるんじゃないよ」というわけです。
今回はマイナス金利が解除されましたが、まだ金融緩和は続き、金利はほとんどゼロの状態が続いています。
とはいえ、これから徐々に預金金利が上がるでしょう。その一方で、いずれ住宅ローンの金利も上がるでしょう。「金利のある社会」が久々に到来しつつあるのです。
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