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「最初はもうびっくりしましたよ! 外国の女性が、飯が詰められた『かご』を運んでいて、それをフィリピン人の客引きが買っていたんです」

 名古屋の北の乗換駅「大曾根駅」からすぐのフィリピンレストラン「Philippine Cafe&Bar Republic」のマスター・ウェイウェイさんは、名古屋随一の異国街「池田公園」を歩いたときの衝撃をこう語ります。

「夜になると、タホ(杏仁豆腐のようなスイーツ)売りが池田公園周辺を歩いていて。当時はタホを知らなかったし、『なんだこの世界は』と思いました」

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「夏場にはアイスキャンディーの売り子も出てきたんですよ!」

池田公園では、深夜限定のキッチンカーで料理を販売していることもある

車から降りてお店に出勤するフィリピン人女性に遭遇

 このエリアを長く見続けているAさん(仮名)は「昔はもっと客引きが多くて、客引きに通せんぼされて腕を掴まれました。以前は立ち止まってはいけない場所でしたが、今は客引きも優しくなって安全ですよ」と教えてくれました。ウェイウェイさんも「(フィリピンパブの客引きは)10年前くらいがピークだったんじゃないかなあ。これでもだいぶ減りましたよ」と言います。

 2017年に刊行、映画化もされた『フィリピンパブ嬢の社会学』(新潮新書)でも、池田公園のフィリピンパブが描かれています。池田公園周辺を時間をかけて歩いていると、車から降りてお店に出勤するフィリピン人女性達や、巨大プレートに乗った見たこともない食事を運ぶフィリピン人女性に遭遇することもあります。私も現地で目撃して「おおっ! 映画と同じだ!」と驚きました。

 さらには、早朝に仕事を終え、道端で談笑するフィリピン人の男女や、露店のテーブルを囲んでトランプで盛り上がるフィリピン人集団もいて、想像以上の“リトルマニラ”に唸ること間違いなし。

名古屋のカオス成分を凝縮したクセのある場所

 このエリアの異国飯屋はブラジル、フィリピン、中国、韓国、タイ、ベトナム、ミャンマー、ネパール、トルコとバリエーションが豊富です。

 加えて、「夜の街」というのも大きな特徴です。フィリピンパブだけでなく、タイパブに中国式マッサージの店が目立ち、名古屋名物の看板上のパトランプがギラギラ回転して街を照らしています。

名古屋といえば開店を伝えるパトランプ。マッサージ屋の看板の上でまばゆくパトランプが回転する

 名古屋のカオス成分を凝縮したようなクセのある場所で、かのマツコデラックスもバラエティ番組『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)で「夏に大きい駐車場で50人ぐらいのブラジル人とフィリピン人たちが大音量で踊ってた」と熱く語っていました。