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「立ち止まってはいけない場所」「フィリピンパブ嬢が次々と…」名古屋の“ナゾの歓楽街”「池田公園エリア」でガチ外国料理を食べてきた

2024/05/23
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 そんな池田公園の周辺には、夜の外国人労働者を支える食堂や弁当屋がものすごくあるんですよね。弁当を売ってる店もあれば、大鍋に1食だけ仕込んでいる店もあります。毎日異なる定食が大鍋で用意され、ほかでは食べられない、美味しい庶民飯が食べられるんですよ。

 例えば「MEKENI」という、月曜以外はフィリピン料理が食べ放題のお店では、テイクアウトやデリバリーが1日100食は売れるんだとか。

「MEKENI」という店では、月曜日以外は食べ放題を実施。曜日ごとに異なるメニューを用意している

外国人が出店するイベントで異国の雰囲気を体験できる

 また、「ARISTOCRAT ASIAN FOOD AND RESTAURANT」という店では、好きなおかずを2~3品選んで食べる大衆食堂スタイル「carinderia(カリンデリア)」を楽しめます。異国飯ならではの「食べたことがなくておいしいけれど、最後まで何を食べているのかわからなかった」という魅力的な体験ができます。

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 ただ夜からオープンするお店が多いので、昼に異国飯を食べたい場合は前述の幹線道路西側に行きましょう。

映画『フィリピンパブ嬢の社会学』にも登場したお店「ARISTOCRAT ASIAN FOOD AND RESTAURANT」

 池田公園ではしばしば、フィリピン系イベントや外国人が出店するイベントも行われています。「イナサル」と呼ばれるバーベキュー屋などが出店していて、異国の雰囲気を体験できます。

池田公園のフィリピンイベントで焼かれる子豚(レチョン)

 こうしたイベントには日本人も来場していて、フィリピン料理を楽しんでいるんです。ほかの地域ではあまり見かけないほど、フィリピン人と日本人が共生している感じがしました。

 昔からこの地域にフィリピン人をサポートするNPOがあり、町内会も共生を目指して活動してきたとのこと。池田公園を中心とした地域の話ではあるけれど、日本人と在住外国人が共にピリピリせず暮らしている場所もあるんですね。外国の方とフレンドリーに話しながら食べる異国飯は、また格別です。

写真=山谷剛史

移民時代の異国飯 (星海社新書)

移民時代の異国飯 (星海社新書)

山谷 剛史 ,小林 銅蟲

星海社

2022年4月27日 発売

「立ち止まってはいけない場所」「フィリピンパブ嬢が次々と…」名古屋の“ナゾの歓楽街”「池田公園エリア」でガチ外国料理を食べてきた

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