支持率低迷が続く自民党に必要な改革とは? 9月に総裁選を控える中、自民党の4回生議員の福田達夫、大野敬太郎、小倉將信の3氏が、「改革試案」を緊急提言する。

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不退転の決意で投じる一石

 各社の世論調査をみても、岸田政権だけでなく自民党の支持率も低迷し、過去最低水準で推移している。

 平成以降、国民の政治不信がこれほどまでに高まったのは、30年前と15年前の2回だろう。30年前にはリクルート事件(1988年)と東京佐川急便事件(1992年)、15年前には日歯連のヤミ献金や事務所費問題が契機となり、「政治とカネ」の問題が政界を揺るがした。その結果、社会が政治に求めたケジメは政権交代だった。1993年には細川護熙氏を首相とする非自民連立政権が誕生、2009年には民主党政権が樹立された。

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福田達夫氏 ©文藝春秋

 今回の事件で、我々は2009年に政権を失った時の原点に立ち返らねばならない。

 我々3名は、2012年の初当選以来、ともに研鑽を重ねてきた同期であり、現状に対する危機感を共有し、意見交換を重ねてきた。総裁選が約ひと月後に迫るいま、ただちに着手すべき自民党改革試案を提起したい。

 我々は、この改革試案をもって、社会の常識に即した改革議論を活発化させることを望んでいる。この総裁選での重要な論点は、誰が総裁になるかではなく「どんな自民党にするか」だ。自民党という古びた組織(ビークル)の改革、そして改革を果たした自民党がどのような社会と国家、そして世界を目指すのかを、議論の中心に据えるべきだ。それぞれの総裁候補は明確な「党改革ヴィジョン」を打ち出さなければならない。本稿の目的は、その議論に寄与することである。

〈派閥による裏金問題が表面化してから約9カ月。問題意識を一にする3人の4回生議員が議論を重ね、まとめたのが本試案だ。総裁選に出馬する候補たちはこの声をどう聞くだろうか――。〉