1月30日、森友公文書改ざんの文書不開示をめぐる訴訟で大阪高裁が、不開示とした国の決定を取り消すよう命じる判決を出しました。原告は公文書の改ざんを命じられ命を絶った近畿財務局職員の妻、赤木雅子さん。赤木さんが逆転判決を“勝ち取る”までの軌跡を「週刊文春 電子版」の記事で振り返ります。
夫・俊夫さんを自死に追い込んだ公文書改ざん事件の「真実が知りたい」と国と佐川氏を訴えてきた。だが国は昨年末、請求を丸呑みする「認諾」という不意打ちで裁判を終結させた。佐川氏に損害賠償を求める民事訴訟は、本人が一度も出廷せぬまま2022年11月に一審判決を迎えようとしている。(2022年9月)
大阪地裁が“守った”佐川元局長に赤木雅子さんが聞きたかったこと
赤木雅子さんは国と佐川氏を相手に裁判を起こした。しかし国は説明もなく「認諾」という手続きでいきなり裁判を終わらせた。真相を闇に葬ろうとしていると雅子さんは受け止めた。残る佐川氏との裁判で真実に迫ろうと、佐川氏をはじめ財務官僚ら5人に証言を求める尋問を申請した。ところが2022年5月25日、大阪地裁の法廷で中尾彰裁判長は「原告が申請した尋問はすべて必要ない」と告げた。(2022年6月)
〈主文 原告の請求を棄却する〉
財務省の公文書改ざん事件で命を絶った近畿財務局職員・赤木俊夫さん。その妻・赤木雅子さんは原告席で、代理人の松丸正弁護士と生越照幸弁護士の間で、裁判長をじっと見つめた。(2022年11月)
「私、負けたんだ…」まさかの敗訴に赤木雅子さんは法廷で倒れた 「森友改ざん訴訟」裏切られた“2つの期待”「佐川元理財局長の尋問は必要ない」そして、この先は…《真相レポート》
「えっ? 私、負けたの?」
大阪地裁の大法廷。一段高い正面の席で裁判長が判決を読み上げた瞬間、原告席の雅子さんはあっけにとられて口をぽかんと開け、周囲に目を泳がせた。同時に、傍聴席から一斉に「ええ~っ!」と驚きの声が上がった。
「そうか、やっぱりそうなんだ。私、負けたんだ…」(2023年9月)
森友再調査「お手紙は拝読させて頂きました」赤木雅子さんに石破首相から返信
〈ご無沙汰致しております。本日は赤木俊夫様のご命日であったかと存じます。改めて御霊の安らかならんことを切にお祈り申し上げますと共に、森友事件の真実が明らかになりますよう、微力ながら努力を重ねて参ります。いつか必ず正義が実現することを信じて、ご健勝にてお過ごしくださいませ。赤木雅子様 衆議院議員 石破茂拝〉(2024年10月)
