役の上で多くの男性と関係を結んだ浅野だが、プライベートでは22歳で作詞家・コピーライターの魚住勉と結婚して世間を驚かせた。

 浅野は結婚に関してこう振り返っている。

「当時は、賛否両論があって。現場や記者の人たち、マスコミは、なんで女優なのに結婚したんだ、出産するんだっていう意見と、女優なのに子どもも産みたいってすごいですねっていう意見と、半分半分でした。正直言ってしまうと、現場は結婚とか出産とか、女優はするんじゃないよっていう反対意見のほうが多かったですね」(講談社「FRaUweb」のインタビューより)

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公式Facebookより

「ガチなケンカだったのでは!?」と噂された迫真の“はたき合い”

 しかし周囲の心配をよそに、結婚直後に出演した『陽暉楼』(83年)での熱演が認められ、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を獲得。

 結婚直後でも躊躇せずヌードを披露しているが、それ以上に話題となったのは池上季実子演じる先輩芸妓との凄絶なはたき合いシーン。

 洗面所での口論から派手な大立ち回りへと発展する大ゲンカは「ガチなケンカだったのでは!?」と噂されるほど迫真のもの。

「ガチでは…」と話題になった「陽暉楼」での池上季実子との喧嘩シーン

 24歳で出産間もなく出演した『薄化粧』でも背後から激しく浅野が緒形拳に激しく腰を打ちつけられる絡みを演じており、プライベートの変化によって仕事をセーブする、という雰囲気はみじんもなかった。

 そして25歳で出演した舘ひろし・柴田恭兵W(ダブル)主演の『あぶない刑事』(86年)シリーズでコメディエンヌとしての地位を確立したかと思うと、27歳の時には『抱きしめたい!』(88年)に浅野ゆう子とともにW主演。

 本人はすでに結婚・出産を経験していたが、当時の等身大の独身OL像を描き出し、トレンディドラマの女王の称号も手に入れることに。