北海道のスターがブレイクした「影の立役者」?

――観光地ではないところで、どういう見どころを見つけるんですか?

石川 変に形を整えたものは、今ひとつでシラけちゃうというか。でも廃墟とかではなくて「人が生活してるけど、味わいがある」みたいなのが好きなんです。ちょっとさびれたものとか、使われなくなったもの……レトロっていうか、そういうものの方が好きで、それを見つける喜びとか。

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 あと、デビュー前なんですけど「すごろく旅行」っていうのを始めて。サイコロで出た目の数だけ進んだ駅で降りて、そこを観光するっていう。だから何もない駅で降りることもあったりしてね。で、デビューしてから「面白い旅行をしてるんですね」って言われて、すごろく旅行のエッセイ本も、2冊出すことになりました。

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――テレビ番組でも、そういうコンテンツありましたよね? もしかして真似されちゃったんでしょうか。

石川 『水曜どうでしょう』の「サイコロの旅」かな。あれは、ちゃんと僕のところに許可をとりにきてくれたんですよ。僕の本を読んだディレクターさんから「ヒントにして企画を練っていいですか?」って連絡が来て。結果、僕のアイデアそのままじゃなくて、オリジナリティも加えられてました。あ、だから大泉洋さんがブレイクした影の立役者は僕なんです! なんてね(笑)。でもまさか北海道のローカル番組からスターが誕生するなんて思ってもみなかったな。

これからやりたいのは「島への旅」

――日本も世界も、あちこち旅している石川さんですが、まだ行ったことがない、これから行ってみたいところはありますか?

石川 やっぱりいろんな「島」とかに行きたいですね。島って、独自の文化や風習があったりするから、面白さが残っているというか。僕は趣味で空き缶の収集も40年くらい前からやってるんだけど、以前は地方に行くと、その地方だけの中小メーカーがいっぱいあって、東京では手に入らない面白い缶飲料がいっぱいあった。でも今はほとんどが大手メーカーの商品になっちゃってて、あんまり面白味がないんです。そういうのもあって、札幌とか福岡とか地方都市とか行っても、あんまり東京と変わらない印象というか。

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 でも島はね、ちょっと独特なものが残ってる場合もあるから、島に行きたいね。でも島ってどうしても人口が少ないから、ライブに呼んでもらえることがあまりなくて。僕は交通費とギャラを出してくれればだいたいどこにでも行く「出前ライブ」っていうのをやってて、ホームページにギャラも明確に出してるんだけど。それでね、行きたいんだよね。

――じゃあ、島からのオファーが欲しいですね。

石川 そうなんです、待ってます! あとこれからやってみたいことは「空き缶博物館」ですね。