理解されにくいこともある…貴重な「空き缶コレクション」

――空き缶、今も集めてるんですね。

石川 はい。集めるのは、自分が飲んだものだけと決めていて、珍しい空き缶が落ちていても拾ったりはしません。ただ、そういう空き缶が落ちているってことは、近くで売ってるはずだから、その周辺の店とか、とことん探し回ります。独自の缶で商品を出してることがあるから、コンビニも定期的に回っていて。海外でももちろん珍しい缶がないか探します。

――今回のタイの旅でもだいぶ持ち帰られたようで。

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石川浩司さんXより

石川 今年はだいぶ少なかったけど。コロナ明けとか3年ぶりに行ったときは100缶以上、すごい量を持ち帰りましたね。海外から持ち帰るときは、たまに空港で「これは何?」って聞かれるんだけど「マイコレクション、マイコレクション」って言うと通してもらえます。唯一止められたのがロシアで「ニエット(いいえ)! これは我が国ではゴミと言う!」って言われちゃって。いや、それはわかってるんですけどって(笑)。まあ、最終的には通してもらえました。

引越し業者にも爆笑されて…ギリギリ部屋に収まっている「空き缶事情」

――大量の空き缶コレクションを、全部ご自宅で保管されてるんですよね?

石川 自宅に空き缶用の部屋があるんですけど、部屋に置いていると言っても、天井までびっしりで、ドアも今では、閉まるか閉まらないかで、電灯もつけられない。一応ダンボールとかプラスチックのケースに入れてあるんですけど、プラスチックケースって意外とダメで、30年以上経つとボロボロになっちゃってます。ダンボールの方が断然いいですね。

――数年前に引越しもされたんですよね。空き缶を運ぶのも大変だったでしょう?

©︎文藝春秋

石川 引越業者は体積で測るから大荷物。だけど業者の人が、大笑いしてましたね。「すごい、軽い!」「これなら10個いっぺんに持てる!」とか言って盛り上がって。まあ、でも正直そろそろ家から出したいんで、空き缶博物館ができたらいいなって思ってます。たまにテレビとかで「空き缶の紹介させてください」って言われるんだけど、ここ1~2年は断ってるんです。もう簡単に取り出せないから。

――どこに何があるかわからないし。

石川 それにやっぱりズラーっといっぱい並んでるところを映したいんだと思うし。それだったら体育館とか用意して全部運んで、全部しまい直してって、全てやってくれるならいいですけど「多分スタッフ10人くらい必要ですよ」って言うと、だいたい引き下がりますね。