絶望的な内容だった新聞各紙の社説

 さて今回の件がいかに緊急事態かをお知らせしたい。斎藤知事の会見を受けて新聞各紙が社説を書いたのだが、どれも絶望的な内容だったのだ。

朝日新聞『斎藤兵庫知事 組織の長として失格だ』

 

産経新聞『兵庫県知事 「違法」の責任を直視せよ』

 

毎日新聞『「違法」認めぬ兵庫知事 トップの任に値するのか』

まず朝日新聞は斎藤知事について、

《この人には、言葉や論理が通じない。そう思わせるようではトップの資格はない。》

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 兵庫県の知事には言葉や論理が通じない。なんて絶望的な状況なのか。そして、

《報告書を「真摯に受け止める」と繰り返しながら実質的に拒否する姿勢は、もはや独善と言っても過言ではない。斎藤氏こそが「知事として失格」と言うほかないだろう。》

昨年9月に行われた百条委員会 ©時事通信社

 兵庫県の混迷は1年前、斎藤氏が会見で男性を「うそ八百」「公務員として失格」と非難したことから始まった。しかし「失格」なのは斎藤知事だと断言したのだ。

 続いて産経新聞。 第三者委の報告書は職員への厳しい叱責など10件をパワハラと認定した。冒頭にも書いたように斎藤氏は、告発者捜しを命じた初動の対応は「当時としてはやむを得なかった」と釈明し、告発文書を作成した元県民局長への処分見直しも否定した。

 産経はひとこと、

《これはおかしい。》

 注目は最後の一文だ。

《議会は斎藤氏に責任の取り方を具体的に示すよう強く促すべきだ。うやむやなままでは県政を前に進められない。》

 あ、うやむやなままでは「県政を前に進められない」とある。「前に進める」に関して当たり前のことが書いてある。それより何より、普段は論調が正反対と言っていい朝日新聞と産経新聞がほぼ同じことを言っていた。斎藤知事が原因で兵庫がいかに異常事態に陥っているかがわかる。