「ホテル飲みが“避けるべき行為”であるとの認識はなかった」

 調査に対し、A氏やその部下はどのような認識を示しているのか。

「彼らは『ホテル飲みが“避けるべき行為”であるとの認識はなかった』と性的な意図を否定し、飲み会の場所をスイートルームにした理由について『コロナ禍だったから』と主張している。また、文春の記事では、会の直前になって初めて飲み会の開催場所がホテルであることが明かされたという参加女性の証言が報じられていますが、彼らは『姑息な誘い方はしていない』と否定しています」(同前)

六本木にある「グランドハイアット東京」 ©文藝春秋
同ホテルのスイートルーム ©文藝春秋

 この日、A氏に改めて質問を重ねた。

ADVERTISEMENT

——なぜ、飲み会の場所をホテルのスイートルームに設定する必要があったのか。

「それは……第三者委員会の調査がありますので」

 A氏は押し黙った後、絞り出すように言った。

「文春の記事は読みました。もし記事にあるような(参加女性が嫌がる等の)状況があったのであれば、申し訳なく思います。いろいろ振り返ると、総合的に反省しています」

 他方、X子さんは中居との性的トラブルについて、一貫して次のように主張している。

「(事件当日は)Aさんがセッティングしている会の“延長”だったことは間違いありません」

 “延長”とは、いかなる状況を指すのか。

「参加して損はないからさ。仕事に確実につながるからさ」

 中居とX子さんの出会いは約3年前に遡る。番組を通じて知り合い、やがてA氏から中居が出演する番組の打ち上げなどに誘われるようになった。

「彼女にとってA氏は、仕事上でキャスティングなどの決定権を握る上位の立場。グランドハイアットで行われた飲み会に参加した際も、彼女は業務として参加している認識でした」(X子さんの友人)

 2023年5月下旬、X子さんはA氏に誘われ、中居の自宅で行われたバーベキューに参加する。彼女は中居の自宅に向かう道中、タクシー車内でA氏から次のように告げられた。

「こういう会に参加して損はないからさ。仕事に確実につながるからさ」