政治家を利用し、韓鶴子総裁の国賓としての来日を目論む統一教会の工作対象は、自民党議員だけではなかった。しかし頼みとしていた安倍晋三元首相が殺害されると、世論を気にする議員たちは手の平を返す。

党派を超えて首相経験者の動員に努めた記録が
銃撃事件のきっかけとなった教団関連イベント(2021年)への安倍元首相のビデオメッセージ。
実は、各国の首脳や元首脳を招く同じようなイベントは毎年のように行なわれていて、教団が参加を働きかけた日本の政治家も、安倍氏だけではない。たとえば、2019年2月のワールドサミットに向けた梶栗正義氏の報告には、党派を超えて首相経験者の動員に努めた記録がある。対象は、細川護熙、羽田孜、村山富市、森喜朗、小泉純一郎、福田康夫、鳩山由紀夫、野田佳彦の8氏だ。
村山氏は同じ大分出身の自民党議員を通して、福田康夫氏は教団元幹部の夫人を通して、それぞれ交渉中。羽田氏と、萩生田光一議員を通じて依頼した森氏は、健康問題を理由に断わられたとある(萩生田氏の事務所は「全く事実ではありません」と否定)。
小泉純一郎氏は〈明確なコンタクトルートを持っていません。したがって、会うことも非常に難しい状況〉。細川氏には、縁のある議員を探すとしている。鳩山氏は〈現時点で参加が決定している世界の首相たちの名簿を知らせた結果、このレベルでは難しいと言われた〉。
野田氏には、1月28日午後4時に梶栗氏自身が面会。韓国でイベントが開催される〈2月8日は平日であり日本国会が会期中であるため無理だが、10日の日曜日であれば検討してみて、後ほど連絡をくれると言ったそうです〉と徳野英治氏が報告しているが、参加は実現しなかった。野田氏の事務所は文藝春秋の取材に対し、「1月28日の件につきまして、当時の記録等を調査しましたが、ご指摘された梶栗正義氏との面会の記載はなく、また野田本人も記憶にないとのことです」と否定した。

首相になる前に、より深い人間関係を結べなかったことが後悔
このとき元首相の動員は叶わず、2年後にビデオメッセージを寄せたのが安倍氏だったわけだ。しかし安倍氏は、教団の期待に応えられなかった。第二次政権が終わるに際して、梶栗氏は嘆いている(2020年6月22日)。
〈祖父の岸(筆者注・信介)首相と父の安倍晋太郎幹事長が真のお父様と結んだ因縁を考えれば、安倍首相の任期中に韓日関係が悪化するだけ悪化し、日本摂理をめぐっても天が期待したほど首相としての役割を果たせなかったことが残念でなりません。
首相になる前に、より重い責任を背負う前に、安倍晋三氏に原理と天の摂理を教育し、より深い人間関係を結べなかったことが後悔され、真の父母様に申し訳ないばかりです。
時を活かせず逃してしまった痛い過去を教訓とし、その間に縁を結んできた国会議員たち、特に私と同世代で将来が期待される議員たちと、国会が休みの期間に頻繁に会って教育の機会を作ろうと決意しています〉
安倍氏がダメでも代わりはいるという言葉の通り、自らの目的を果たすために、自民党議員への接触と選挙応援は続く。岸田文雄新内閣の下、2021年秋に行なわれた総選挙を前に、梶栗氏はこう報告している(9月30日)。
〈現在78名の世界平和議員連合の正式会員である国会議員たちが、総選挙で1人でも多く当選し、天の前でより大きな役割を果たしてくれることを願うばかりです。
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