TM文書が明かす「安倍晋三」教育計画

第2回

石井 謙一郎 フリーライター

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 統一教会による政界工作の最大のターゲットは、安倍晋三首相だった。TM特別報告には、殺害のきっかけとなった教団イベントへのビデオメッセージが寄せられる経緯が、細かく報告されている。

安倍首相が総裁選に勝ったことは「天の摂理」

 故・文鮮明教祖は、1990(平成2)年2月に行なわれた衆議院選挙の結果を受け、信者に次のように語った。

「日本の今度の選挙だけでも、私たちが推してあげたのが、108議席当選しました。今回、私たちが援助しなければ、無所属で出てきた中曽根なんか吹けば飛んだよ。また派閥で見れば、中曽根派は62議席にもなって、安倍派は83議席です。私が全部そういうふうに作ってあげたんですよ。この二派閥を合わせるといくつになりますか? それで安倍とか中曽根は、『原理のみ言を聞け!』と言ったら聞き始めました」(韓国統一教会発行の雑誌『統一世界』同年4月号より)

 中曽根康弘元総理はこの前の年、リクルート事件への関与で自民党を離党していた。安倍派とは、晋三氏の父・晋太郎氏が率いていた派閥・清和会のことだ。

安倍晋太郎氏  ©文藝春秋

 TM特別報告を読むと、国会議員教育の重点対象が、晋太郎氏の息子であり、2度も総理の座についた安倍晋三氏だったことは明らかだ。2018年の総裁選で石破茂氏に勝利して三選を決めたあとの徳野英治氏の報告(9月21日)。

〈安倍首相は歴史観などについて私たちがさらに教育すべき点も多いですが、しかし今回の対抗馬であった石破元防衛大臣より、安倍首相は私たちの統一運動にはるかに近いということを考えれば、安倍首相が自民党総裁選に勝ったことは天の摂理であったと確信します〉

安倍首相夫妻を原理教育して祝福へと導く

 安倍首相を教育する目的がもっとストレートに述べられているのは、翌2019年1月10日の徳野氏の報告だ。

〈昨年、日本指導者を対象とした孝情清平特別修錬閉会式でお母様がくださったお言葉のように、安倍晋三首相夫妻を原理教育して祝福へと導くと同時に、日本が過去の歴史を悔い改めて真の父母様を国賓として日本にお迎えできる基盤を一日も早く成し遂げられるよう、我々夫婦が共に精誠を捧げ、役員たちと知恵を出し合い精誠を捧げる日々でございます〉

 では、具体的に、どのように安倍氏を〈原理教育〉しようとしていたのか。

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