9歳でデビューし、『悲しき口笛』を皮切りに、数々のヒット曲で国民的歌手になった美空(みそら)ひばり(1937―1989)。大親友で葬儀では弔辞を読んだ女優の中村(なかむら)メイコさん(1934―2023)が振り返った。
私がひばりさんと初めて会ったのは1951(昭和26)年、「月刊平凡」の対談でのことでした。
お互い小さい時から芸能界入りして人気者になった似た者同士で、彼女は13歳、私は16歳でした。年頃の私は、普通の女の子になりたいという願望もあって、こんなことを言ったんです。
「私たちもお休みのときくらい、ボーイフレンドとデートして、お揃いのセーター着たり、腕を組んで歩いたり、ロードショーや芝のスケート場に行ったりしたいわよね」
すると彼女はしっかりとした口調で、こう答えました。
「いいえ。私は別にそんなことしなくてもいい。いつもママ(母の加藤喜美枝さん)から、私たちは夢を売る商売と教えてもらっているし、ファンの皆様が嫌がることや、夢を壊すようなことはしてはいけないの。だから、それは我慢しなくちゃいけないと思う」
まさに貫禄負け。私、びっくりしちゃいました。のちに彼女と大親友になったときに、
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source : 文藝春秋 2017年6月号

