奇しくも同じ1937(昭和12)年生れで、美空ひばり、江利チエミとともに、「三人娘」と呼ばれた歌手の雪村(ゆきむら)いづみさん(1937―)が、生涯の交遊を振り返る。
昭和30年初秋、私は東宝・砧撮影所の門をくぐりました。わくわくするような思いとちょっぴり緊張感が入り混じった複雑な気持ちでした。スタジオには3つの椅子が並んで置かれていました。映画「ジャンケン娘」の撮影が始まったのです。
その椅子に座ったのは、美空ひばり、江利チエミ、そして雪村いづみ。奇しくも3人は同い年、当時18歳でした。お互いニックネームで呼び合うようになり、ひばりちゃんは「お嬢」、チエミちゃんは「のに」、そして私は「トン子」と呼ばれていました。
そんな3人が初共演した映画は大ヒットし、以来、私たちは「三人娘」と呼ばれるようになりました。そして、お互い深い友情で結ばれながら人生を歩むことになったのです。

三人娘の中で一番早く結婚したのはチエミちゃん。昭和34年、高倉健さんとゴールインしました。そして36年、私はアメリカ巡業公演で知り合ったジャック・セラーという青年と東京・四谷の聖イグナチオ教会で結婚式を挙げました。式のあと、私は手に持っていたブーケをひばりちゃんにむかって投げました。嬉しそうに、そのブーケを受けとってくれたひばりちゃんは、それから一年後に小林旭さんと結婚したのです。ブーケの効果があったのだと、私は大満足。
こうして三人娘はそろって「奥さま」になったのです。でも、これも三人娘の宿命だったのでしょうか、その後、3人はそろって「離婚」という辛く悲しい体験も共有することになってしまいました。
昭和56年、ひばりちゃんのママが亡くなりました。ひばりちゃんはそれから、少し気落ちしたみたいです。
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source : 文藝春秋 1998年12月号

